テネシー州のジャック・ダニエル蒸溜所が、自社初のシングルモルトウイスキーを全米で発売しました。
これまで免税店限定だった商品を本国の一般小売に展開する形ですが、価格はむしろ下がっています。
数字で見る「全米展開」の中身
「ジャック・ダニエルズ・アメリカン・シングルモルト」は、100%大麦モルトを原料に、テネシー・ウイスキーと同じくシュガーメープルの炭でチャコールメローイングを行い、新樽で熟成させたのちオロロソ・シェリー樽で仕上げた一本です。
度数45%(90プルーフ)、容量1リットルで、希望小売価格は74.99ドル(約1万2,000円)。年1回、数量限定で発売される「リミテッド・アニュアル・リリース」という位置づけで、この秋から全米の酒販店に並びます。
免税店限定からの「値下げ」という異例の展開
この商品は2023年に、同じく1リットルボトル・希望小売価格105ドル(85ポンド)で世界の免税店向けに先行発売されていたものです。
全米展開にあたり30ドルほど値下げされた形になっており、限定品が本国上陸時に値上がりするのが一般的な業界の流れからすると、逆行する価格設定と言えます。
マスターディスティラーのクリス・フレッチャー氏は「海外からの旅行者から素晴らしい反響を得てきた。ようやくこの特別なウイスキーを本国の仲間たちに届けられることを嬉しく思う」とコメントしています。
アメリカン・シングルモルトという新カテゴリーの追い風
今回の全米展開の背景には、米国のTTBが、50年以上ぶりとなる新しいウイスキーカテゴリーとして「アメリカン・シングルモルト」を正式に認定したことがあります。
単一の蒸溜所で100%大麦モルトを原料に糖化・蒸溜・熟成まで一貫して行い、最大700リットルのオーク樽で熟成し、80プルーフ以上で瓶詰めするという規定です。
ジャック・ダニエルは2022年にこのカテゴリーへの参入第一弾となる限定品を発表し、2023年に免税店向けの常設ラインとして展開してきました。
今回の全米展開は、その集大成にあたる続報と言えそうです。










