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ブラウン・フォーマン再拒否、サゼラックはなぜ引かない?

ブラウン・フォーマン再拒否、サゼラックはなぜ引かない?

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ブラウン・フォーマンの取締役会が7月26日、サゼラックからの買収提案を改めて「実行可能ではない」として拒否したと発表しました。

今回サゼラックは、取締役会を通さず株主・取締役に直接書簡を送るという一段踏み込んだ手段に出ており、単純な「またの拒否」では片付けられない展開になっています。

半年で見えてきた買収劇の全体像

発端は3月末、ペルノ・リカールとの「対等合併」交渉が両社から公式に確認されたことでした。しかし4月28日、両社は交渉終了を発表。

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決め手となったのは、ブラウン家とリカール家という二つの創業家の間にあった支配権をめぐる根深い溝だったと報じられています。

その直後の5月1日、今度はサゼラックが1株32ドル(約5,238円)、総額約150億ドル(約2兆4,555億円)の全額現金による買収提案を持ちかけました。対象は議決権を持つクラスA株(主にブラウン家が保有)と、議決権のないクラスB株の両方。ブラウン・フォーマン側のアドバイザーは非公式にサゼラック側へ「ブラウン家に関心なし」と伝え、事実上の拒否が5月のうちに伝わっていたとされます。

それでもサゼラックは引きませんでした。7月、株主・取締役に直接あてた書簡を2通送付。1通目は無視されましたが、金曜日に送った2通目で改めて条件再考を要請し、「取締役会が応じるなら条件の引き上げも辞さない」と伝えています。これを受けて日曜(26日)、取締役会が正式に「実行可能ではない」と回答しました。

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同族企業が同族企業を口説く構図。一筋縄ではいかなそうですね。

もう一つの家族企業からの誘い

サゼラックは、ウィリアム・ゴールドリング氏とその一族が所有する非公開企業です。バッファロー・トレース、サザンカンフォート、ファイアーボール、マイヤーズラムなど約500ブランドを傘下に抱えています。

今回明らかになった提案の中身も興味深いものでした。ブラウン家に対しては、株式をサゼラック株へ転換するオプションや、合併後の会社での比例的な取締役枠(ブラウン家は現在ブラウン・フォーマン取締役会で3議席を保有)、現行の四半期配当(1株22セント、約36円)を上回る配当水準まで用意されていたとされます。単なる買収ではなく、経営への一定の関与を残したまま資本を売却してもらう、という設計だったわけです。

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CEO交代のタイミングという読み筋

ブラウン・フォーマンは今月13日、30年近く在籍したCEOローソン・ホワイティング氏が後任決定次第退任すると発表したばかりでした。サゼラックが今回、株主への直接書簡という手段に出た背景について、TDコーウェンのアナリスト、シェイマス・キャシディ氏は「CEO交代のニュースに触発された可能性がある」と分析しています。

一方で同氏は、今回の対応が「支配権を握るブラウン家の意向こそが、この手の取引における最大の障壁であり続けていることを裏付けている」とも指摘しました。

ブラウン家がクラスA株の過半を握り、会社を売る意思がそもそも薄い以上、株主への直接アピールが議決権構成そのものを動かす可能性は限定的というのがこの見方です。

ペルノ・リカールとの交渉が頓挫した決め手も同じく両家の支配権問題だったことを踏まえると、サゼラックが今回も引かなかった理由は、価格や条件面よりも、経営陣交代という一瞬の隙を突く狙いにあったと読む方が筋が通りそうです。




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