昨年10月に発表されていたアードベッグ10年のカスクストレングス。
ついに仕様が決まりました。
MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社は、アードベッグ蒸留所の主力製品である「アードベッグ10年」のカスクストレングス(樽出し原酒)仕様を、日本国内にて2026年2月24日(火)より発売すると正式に発表。
多くの愛好家が50%台後半の度数を予想する中、明かされた数値はアードベッグ史上最高となる「61.7%」。希望小売価格は14,300円(税込)です。販売はアードベッグ・コミッティーストア(公式サイト)限定となります。
61.7%:アードベッグ史上最高度数の意味

今回発表された「61.7%」というアルコール度数は、単なる「カスクストレングス」の枠を超えています。これまでのコミッティーリリースや限定品を含めても、60%の大台を超えるボトリングは極めて異例であり、公式発表にある通り「アードベッグ史上最高度数」となります。
通常、カスクストレングス製品は54〜58%程度に落ち着くことが多い中、61.7%という数値は、熟成庫の中でも特に蒸発率(天使の分け前)が低く、アルコールの純度を保ち続けた「選ばれし樽」のみがヴァッティングされたことを示唆しています。

使用樽はアメリカンオークのバーボン樽。シェリー樽やワイン樽による化粧を一切施さず、純粋なスピリッツの力強さと、良質なオーク由来のバニラ香だけで構成された、まさに「直球勝負」のスペックです。加水調整された46%の通常版とは全く異なる、粘性のあるオイリーな質感と、口内を蹂躙するかのようなピートの爆発が約束されています。
14,300円(税込):適正価格か、高騰か

税込14,300円という価格設定についてですが、昨今のウイスキー市場では、熟成年数表記(エイジステートメント)のあるカスクストレングス製品は、2万円台に突入することも珍しくありません。特にアイラモルトの人気銘柄であれば尚更です。
その中で、14,300円という価格は、61.7%というハイプルーフ(通常の1.3倍以上のアルコール量)である点と、昨今のポンド円の為替レートを考慮すれば、MHD側がかなり戦略的なレートを設定したと言えます。
「コリーヴレッカン」や「ウーガダール」といった既存の定番ラインナップと比較しても、このスペックであれば十分に競争力があり、転売市場を経由せずに正規ルートで購入できる価格としては「良心的」とさえ評価できます。
販売チャネルは「コミッティー限定」

注意すべきは、本製品が全国の酒販店に並ぶ一般流通品ではなく、「アードベッグ コミッティーストア限定発売」である点です。
これは、熱心なファン組織である「アードベッグ・コミッティー」への還元を最優先した措置と考えられます。過去の事例を鑑みると、発売日である2月24日には公式サイトへのアクセス集中が予想され、即時の完売も十分にあり得ます。
20年越しの回答

公式リリースには「20年以上にわたるファンの声」に応えたとあります。長年、46%の「アードベッグ10年」を愛飲しながらも、「もしこれが樽出しそのままだったら」と夢想してきたドランカーに対し、蒸留所は「61.7%」という予想を遥かに超える回答を用意しました。
既存のラインナップ(アン・オー、ウーガダール、コリーヴレッカン)の隙間を埋めるのではなく、それらすべてを過去にするような圧倒的な質量を持ったこのボトル。2月24日、日本のウイスキーシーンにおける新たな到達点となることは確実です。










