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ケンタッキー・バーボン・トレイルが「クラフトツアー」を統合し、一挙10蒸留所を追加

ケンタッキー・バーボン・トレイルが「クラフトツアー」を統合し、一挙10蒸留所を追加

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2026年1月、米国のケンタッキー蒸留酒業者協会(KDA)は、同州の象徴的な観光プログラム「ケンタッキー・バーボン・トレイル(KBT)」の大規模な改編を発表しました。

これまで18箇所だったメインのトレイルに、新たに10の蒸留所を追加。さらに、これまで小規模蒸留所を対象としていた「クラフト・ツアー(Kentucky Bourbon Trail Craft Tour)」という区分を解消し、すべての加盟蒸留所を一つの「ケンタッキー・バーボン・トレイル」として統合することを決定しました。

これにより、老舗の大手メーカーと新興のクラフト蒸留所が、観光客向けには対等な「訪問地」として並列化されることになります。

「大手」と「クラフト」の垣根を撤廃

今回の改編の核心は、1999年の発足以来続いてきた「規模による区別」の撤廃です。

これまでKBTは、ジムビームやメーカーズマークといった大手ブランドが名を連ねる「本流」と、2012年に新設された小規模生産者向けの「クラフト・ツアー」に分かれていました。しかし、近年のクラフト蒸留所の品質向上と、観光客のニーズの多様化を受け、KDAはこの二重構造を解消しました。

新たに追加された10蒸留所には、New Riff(ニューリフ)やWilderness Trail(ウィルダネス・トレイル)など、すでに愛好家の間で高い評価を得ているブランドが含まれています。これらが「ヘリテージ(遺産)」と呼ばれる大手蒸留所と同じリストに加わることで、観光客はブランドの知名度に関わらず、純粋に「体験」や「味」で目的地を選ぶことになります。

オーバーツーリズムの解消と「滞在型」への転換

この統合劇には、切実な経済的な背景もあります。

既存の人気蒸留所(特に大手)ではツアー予約が困難な状況が続いており、観光客の集中(オーバーツーリズム)が課題となっていました。選択肢を一気に増やし、州内全域に観光客を分散させる狙いがあります。

今回昇格・追加された蒸留所の多くは、単なる工場見学に留まらない、付加価値の高いサービスを展開しています。

  • 食との融合: レストランや本格的なカクテルバーを併設し、バーボンと食事のペアリングを提供する。

  • 宿泊体験: 蒸留所の敷地内に宿泊施設を備え、移動の心配なく試飲を楽しめる環境を整備する。

スコットランドが「ラグジュアリー」へ、日本が「技術的探究」へと特化する中、アメリカは「多様な選択肢を一つのプラットフォームに統合する」という、スケールメリットを活かした戦略を選択しました。

オーツカ
スコットランド、アメリカ、日本と、それぞれのウイスキーツーリズムに明確なコンセプトの差が出てきましたね。今後が楽しみです。



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