軽快でスムースな味わいで、世界中のハイボール愛好家から長年親しまれてきたブレンデッドスコッチウイスキー「カティサーク」。
そのカティサークが、ブランドのポートフォリオに深みと複雑さをもたらす、新たなプレミアムボトル「カティサーク 17年」を発表しました。
3種の樽が織りなす、熟成の妙
今回の「カティサーク 17年」の最大の特徴は、マスターブレンダーのスティーブン・ウッドコック氏が考案した、丁寧で複雑な熟成プロセスにあります。
まず、厳選されたハイランドとスペイサイドのシングルモルト原酒をブレンド。そのモルトウイスキーだけを、シェリー樽とポート樽に移し替え、17ヶ月間という長い時間をかけて追加熟成(マリッジ)させます。これにより、モルト原酒にリッチでフルーティーな深みを与えます。
そして最終段階で、この熟成されたモルトウイスキーと、ファーストフィルのバーボン樽で熟成されたローランド地方のグレーンウイスキーをブレンド。グレーンウイスキーが持つクリーミーな質感が、全体を滑らかにまとめ上げます。
味わいと製品情報

この特別なプロセスを経て生まれたウイスキーは、カティサークのシグネチャーである滑らかさを保ちながら、これまでのラインナップにはなかった重層的な香味を獲得しています。
テイスティングノート
香り: 砂糖漬けのオレンジ、チェリー、プラムの香りが、オークやほのかなスパイスと絡み合う。
味わい: オイリーな口当たりに、焼きたてのパンやカプチーノ、カカオパウダーを思わせるニュアンス。
フィニッシュ: スパイス、オーク、そしてモルトの風味が長く続く。
製品情報
商品名: カティサーク 17年
アルコール度数: 42.3%
希望小売価格: 85~90ポンド/約100ユーロ(約18,000円~19,000円前後)
カティサークのラインナップにおける位置づけ
この新製品の登場は、カティサークブランドの戦略において重要な意味を持ちます。
現在のカティサークの主要ラインナップは、ハイボールに最適な軽快な「オリジナル」(緑のボトル)と、50%という高いアルコール度数で力強い味わいの「プロヒビション・エディション」が中心です。
今回発表された「17年」は、これらとは異なる、じっくりと味わうための「プレミアム・エイジド(熟成年数表記)」というカテゴリーに位置づけられます。かつて同ブランドには12年や18年といった熟成年数表記のボトルが存在しましたが、この「17年」は、シェリー樽とポート樽でのマリッジという、より手の込んだ製法を採用しており、プレミアムレンジへの本格的な再挑戦と言ってもいいかもしれませんね。
中熟のカティサーク。楽しみです。