スコットランド・ファイフ州に拠点を置くエデンミル(Eden Mill)蒸溜所が、約2年に及ぶ建設期間を経て、新たな最先端蒸溜所の稼働開始を発表しました。
これにより、同施設ではシングルモルトウイスキーとジンの両方の生産が本格的にスタートしています。
新蒸留所は1年あたり100万LPAの生産能力

この新蒸溜所は、セント・アンドリュース大学の「エデン・キャンパス」内に設置され、年間100万リットルの純アルコール(LPA)生産能力を備えています。
主な設備は以下の通り。
- マッシュタン 
- 6基のウォッシュバック 
- ジン用スチル 
- ウォッシュスチルとスピリットスチル 
- ホットリカータンク 
- 約300樽を収納可能な熟成庫 
新施設は再生可能エネルギー100%で稼働しており、電力は大学が保有するソーラーファームと、グリッド経由の再生可能電力から供給されます。
新スピリッツを充填中

元の蒸溜所で蒸留され、保管されていたシングルモルト原酒は現在約400樽。
そのストックを活かしつつ、新しい設備での新酒の樽詰めがすでに始まっており、2025年4月7日には記念すべき第一号樽(スコティッシュオーク製)が充填されました。
ヘッドディスティラーのスコット・ファーガソン氏は次のように語ります。
「我々の目指す味わいは、以前の蒸溜所でつくっていたライトで甘く、フローラルかつ草のようなニュアンスのあるスピリッツ。新しい環境でそのスタイルを再現し、さらに高みを目指します。」
夏にはビジターセンターも開業予定

新蒸溜所には観光客向けの世界クラスのビジターセンターも併設予定。
- ウイスキー&ジンの没入型ツアー 
- リテールショップ 
- エデン河口を一望できる最上階のカクテルバー 
このビジターセンターは2025年夏(8月頃)に開業予定です。
セント・アンドリュース中心部からは車でわずか10分の立地で、観光拠点としても大きな期待が寄せられています。
環境への配慮とリジェネラティブ農業への貢献
エデンミルは2024年10月に発表したMiAlgaeとの提携を含め、サステナブルな取り組みを推進中。
また、ウイスキー製造においては自然環境の再生を目指す“リジェネラティブ農業”への移行を視野に入れ、将来的な土地や水資源への影響を最小限に抑える技術革新にも注力しています。
発売・見学情報まとめ

- 生産開始日:2025年4月7日(第一号樽充填) 
- 年間生産能力:100万リットル(LPA) 
- エネルギー供給:100%再生可能電力 
- ビジターセンター:2025年夏開業予定(予定地:エデンキャンパス) 
- 所在地:セント・アンドリュース、ファイフ州(大学キャンパス内) 
- 公式サイト:https://www.edenmill.com 
ちょっと元気がなくなってきたスコットランドのクラフトウイスキーシーンですが、エデンミルの新蒸溜所が新しい象徴として、活躍することを祈ります。
2025年夏、セント・アンドリュースに訪れるなら、ぜひこの新たな“聖地”を訪れてみてはいかがでしょうか。




 
  
  
  
  
  
  
  
 




