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「パンク」の最期。BrewDog身売り報道と、六本木閉店の点と線。

「パンク」の最期。BrewDog身売り報道と、六本木閉店の点と線。

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先日、蒸留酒部門の閉鎖を発表したブリュードッグでしたが

【衝撃】ブリュードッグが蒸留酒部門を閉鎖。ジン、ラム、そしてウイスキー造りから完全撤退へ

なんとさらなるニュースが舞い込んできました。

スコットランドのクラフトビール大手、ブリュードッグ(BrewDog)が、事業の売却プロセスを正式に開始したとのことです。

これは「提携」や「出資」といった生ぬるい話ではありません。 企業の「切り売り」、あるいは「完全売却」です。

六本木閉店は「身支度(Dressing up)」だったのか

2025年12月の六本木閉店。当初は地代や為替の問題かと思われましたが、今回の報道でその背景がクリアになりました。

M&A(企業の売却)のフェーズにおいて、企業は資産価値を最大化するために、採算性や事業ポートフォリオを厳格に見直すことがあります。

これをビジネス用語で「ドレッシング(身支度)」と呼ぶことがあります。

  • 2025年後半: 世界規模でのバー部門の再編。

  • 2026年初頭: スピリッツ部門の戦略見直し。

これらは、新しいパートナー(買い手)を迎えるための「選択と集中」だった可能性が高いでしょう。我々が愛した六本木の店舗は、グローバルな経営判断の中で、その役割を終えたということになります。

人気ジン「ローンウルフ」やウイスキー原酒の行方は?

ウイスキーファンとして最も気がかりなのは、彼らが情熱を注いできた蒸留酒部門(BrewDog Distilling Co.)の未来です。 もし、買い手が「ビールの世界的流通」を主目的とする巨大資本だった場合、ニッチで手間のかかる蒸留酒部門はどのように扱われるのでしょうか。

「PUNK IPA」という強力なエンジンに対し、熟成に長い時間を要するウイスキーは、ビジネスモデルが全く異なります。 最悪のケースとして、部門の売却や縮小も考えられますが、スコットランドで眠る実験的なウイスキー原酒たちが、適切な形で世に出ることを願わずにはいられません。

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「拡大」と「独立性」のジレンマ

創業者のジェームズ・ワット氏はかつて、既存のビール業界の常識を覆す過激なパフォーマンスで、クラフトビールの可能性を世界に示しました。

しかし、世界的なブランドへと急成長する過程で、PEファンド(投資会社)などの巨大な資金を受け入れた彼らは今、次のステージへの移行を迫られています。

これはBrewDogに限った話ではありません。

ウイスキー業界でも、小規模な蒸留所が成長のために大手グループの傘下に入る事例は珍しくありません。

「クラフト(手作り)の精神」を維持しながら、どこまで「規模」を拡大できるのか。BrewDogの今回の決断は、酒類業界全体が抱えるこの難しいテーマを、我々に改めて突きつけています。

一つの時代の区切りとして

六本木で、PUNK IPAをチェイサーに、アイラモルトを流し込んだ夜。 「ビールとウイスキーの壁なんてない」と教えてくれたあの自由な空間は、やはり特別なものでした。

経営母体が変わったとしても、ブランドが消えるわけではありません。しかし、創業時の「荒削りな熱量」を持ったBrewDogの第一章は、ここで完結すると言えるでしょう。 我々ウイスキーファンにできることは、彼らが「独立系」として生み出したボトルが手元にあるなら、その挑戦の歴史と共に大切に味わうことだけです。

オーツカ
六本木でボイラーメーカーを楽しんで、ベロベロになった夜が良い思い出です。ありがとう、僕たちのパンク。



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