ARTASTE/アルテイスト

北海道・東川町に『丹丘蒸溜所』が誕生。香港の美意識と「公設民営」が描く理想郷

北海道・東川町に『丹丘蒸溜所』が誕生。香港の美意識と「公設民営」が描く理想郷

※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています

北海道・大雪山連峰の麓に位置する東川町にて、新しいウイスキー製造拠点『丹丘(たんきゅう)蒸溜所』が本格始動しました。

北海道はウイスキー蒸留所の数が急増し、いまや都道府県別で全国最多の激戦区となりました。

北海道東川町に新蒸溜所。スコットランドの技が拓くウイスキーの未来

スコットランドに似た冷涼な気候、豊富な水資源、そして広大な土地。これらを求めて国内外から資本と情熱が集まる「北のウイスキーラッシュ」。

その最前線にあるのが、自治体と海外チームが手を組んだ、このユニークな蒸留所です。

激増する北海道の蒸留所と「公設民営」という選択

道内のウイスキー蒸留所(計画中含む)は近年急増し、これまで酒造りが盛んだった本州の府県を抜いて日本一の集積地となりました。

大手メーカーだけでなく、小規模蒸留所が相次いで参入しているのが特徴ですが、中でも東川町の『丹丘蒸溜所』は異彩を放っています。

採用されたのは、日本のウイスキー業界では極めて珍しい「公設民営」方式。

施設は東川町(自治体)が建設し、運営は香港で人気のクラフトジン『Perfume Trees Gin』の創業者、キット・シュン・チャン氏らが設立した民間企業が担います。

急増する蒸留所の中で生き残るためには、お酒を作るだけでなく、地域観光の核となる必要があります。

自治体が「箱」を用意し、グローバルな感性を持つ「プロ」が中身を作る。このモデルは、数ある北海道の蒸留所の中でも、持続可能なツーリズムを見据えた戦略的な一手と言えます。

「丹丘」=理想郷。香港の美意識と大雪山の水

蒸留所名の『丹丘』とは、中国の古典に由来し、「神仙が住む場所」「この世の理想郷」を意味します。

運営チームが香港出身であることは、この蒸留所のデザインや哲学に色濃く反映されています。

東川町は北海道で唯一、上水道がなく、全世帯が地下水(大雪山の伏流水)で生活する町。この圧倒的に清らかな「水」に惚れ込んだキット氏らが、東洋的な美意識で空間を設計しました。

先のアバディーンの事例が「金銭によるアクセスの特権」を売りにしたラグジュアリー・ツアーだとすれば、丹丘蒸溜所が提供するのは「美意識と静寂への没入」です。

施設内には、オランダ製の最新蒸留器などを間近で見学できる動線に加え、地域の木材や軟石を使用したテイスティングルームを完備。

来場者は、異邦人の視点で再発見された「北海道の美しさ」を、ウイスキーやジンを通じて追体験することになります。

ARTASTE/アルテイスト

「飲む」を超え、熟成を待つ時間を観光資源に

現在、同蒸留所では第一弾としてクラフトジン『雪の窓(Snow Window)』をリリースしています。東川町の米やトドマツをボタニカルに使用したその味わいは、すでに高い評価を獲得。

注目のシングルモルトウイスキーについては、2028年頃のリリースを目指して熟成庫で眠りについています。

しかし、観光の視点で見れば、完成品がないことは弱点ではありません。

ツアーでは、熟成前の「ニューポット」のテイスティングや、樽が並ぶウェアハウスの見学が可能。

完成された歴史を巡るスコットランドの旅に対し、北海道の旅は「理想郷が生まれる過程」に立ち会うドキュメンタリーのような体験を提供しています。

道内に林立する蒸留所の中で、いかに独自の「場所(Place)の価値」を提示できるか。

東川町の挑戦は、数で日本一となった北海道が、質(体験価値)においても世界基準へ到達できるかどうかの試金石となります。

丹丘蒸留所のスタッフ

左より/ジョセフ(チョウ・エイ・シュン)、針ヶ谷、デイビッド(ダーウェイ・シェイ) 

左より/ジョセフ(チョウ・エイ・シュン)、針ヶ谷、デイビッド(ダーウェイ・シェイ)

代表取締役 チョウ・エイ・シュン(Cheung Wing Chun)

蒸留家でもあるチョウ・エイ・シュン(ジョセフ)は2018年に香港でクラフトジン「Perfume Trees Gin」をバーテンダーのキット・チュンとともに開発。同ジンは、香港の伝統と活気を1本のボトルに込めた製品で、権威あるコンペティション「WORLD GIN AWARD」で表彰されるなど国際的に高い評価を受けてきました。

<コメント>

丹丘蒸留所株式会社の設立を契機に北海道へ完全に移住し、北海道の情景を閉じ込めた「雪の窓」シリーズを開発しています。目指すのは「静かで、美しく」「ミニマルでエレガント」な一杯です。

代表取締役 針ヶ谷 元基(Harigaya Motoki)

北海道大学大学院卒業後、独立行政法人 日本貿易振興機構 北海道貿易情報センターにて外国企業誘致業務を担当し、丹丘蒸留所株式会社の東川町での蒸留所設立を支援。

<コメント> 
地域活性化において、海外にバックグラウンドを持つメンバーが多く在籍する丹丘蒸留所株式会社だからこそできる貢献があると信じています。

マスターディスティラー(主任蒸留士) ダーウェイ・シェイ(Da-Wei Hsieh)

ヘリオット・ワット大学(Heriot-Watt University)醸造・蒸留学修士課程(MSc in Brewing and Distilling)修了。ウイスキーの科学と製造に関する確かな知識を有しています。スコットランド・ハイランド地方にあるエドラダワー蒸留所で蒸留技師として従事し、伝統的なスコッチの生産技術を身につけ、スペイサイド蒸留所ではマスターブレンダーとして活躍。味覚とブレンディング技術にさらなる磨きをかけました。

<コメント>

本場スコットランドで磨いた蒸留技術をベースに、最新技術や理論も取り入れた「温故知新」なウィスキー造りを目指します。




国産ハンドメイドのウイスキー専用グラスシリーズ

5000名以上のウイスキー愛飲家に使われるKYKEYのグラスシリーズ。そのウイスキーが持つポテンシャルを、最大限に引き出します。