ジム・ビームやブッカーズなどを擁するジェームズ・B・ビーム・ディスティリング・カンパニーが、そのプレミアムバーボン・ラインナップの中核をなす「ノブクリーク」において、ブランド史上最長熟成となる「ノブクリーク 21年」を発表しました。

「21年熟成」が意味するもの

ケンタッキーの気候と、内側を強く焦がした新樽(ニュー・チャード・アメリカンオーク)で熟成させるバーボンウイスキーにとって、21年という熟成年数は極めて長いものです。
スコッチウイスキーとは異なり、バーボンは熟成のスピードが速く、長期熟成はしばしば樽の成分が過剰に溶け出す「オーバーオーク」状態(過度な渋みやウッディさ)になるリスクを伴います。20年を超える長期熟成でありながら、バランスの取れた味わいを保つボトルは非常に稀であり、その達成には熟成庫の管理と、樽の選定における高度な技術が求められます。
今回のリリースについて、8代目マスターディスティラーのフレディ・ノウ氏は次のように語っています。 「私たちがこのバッチを寝かせ始めた時、特定の熟成年数を追いかけていたわけではありません。いつものように、ただ素晴らしいバーボンを造ることに集中していました。テイスティングした時、私たちは何か特別なものができたと分かったのです。熟成庫で数十年を過ごした液体は、ノブクリークのファンやウイスキー愛好家が試したくなるような、豊かさとバランスを育んでいました。」
ノブクリークの「熟成年数」への歩み
ノブクリークは、1992年にブッカー・ノウ氏(フレディ・ノウ氏の祖父)によって、禁酒法以前の力強いバーボンのスタイルを志向して生み出されました。その際、ブランドの核となったのが「9年」という当時のプレミアムバーボンとしては長い熟成年数表記でした。
しかし、2010年代のバーボンブームによる原酒不足の影響で、2016年にこの9年表記を一時的に取り下げた経緯があります。その後、原酒の供給が安定した2020年に9年表記が復活。以降、定番ラインナップとして「12年」を加え、限定品として「15年」、「18年」と、熟成のフロンティアを押し広げてきました。
今回の「21年」のリリースは、その歩みの頂点であり、ジェームズ・B・ビーム蒸溜所の熟成庫が、今や非常に深く、豊かな長期熟成原酒のストックを保有していることを示すものです。
味わいと製品情報
「ノブクリーク 21年」は、ブランドが志向する禁酒法以前のスタイルに則り、アルコール度数50%(100プルーフ)でボトリングされています。
テイスティングノート
香り: 熟成したオーク、キャラメルシュガー、ほのかなスモーク。
味わい: 深いキャラメルとチャー(焦げ)の風味に、フルーツとトーストしたオークのヒントが重なる。
フィニッシュ: トフィーと焦がした木材のニュアンスが、長く温かく続く。
製品情報
商品名: ノブクリーク 21年
アルコール度数: 50%(100プルーフ)
希望小売価格: 249.99ドル(約41,000円)
その他: 特製の記念ボックス入り
ホリデーシーズンに合わせて発売されるこの限定ボトルは、まずアメリカ国内で展開されます。
ノブクリークが21年の歳月を経て到達した、力強さと円熟味のバランスを体験できる一本として、大きな注目を集めることになりそうです。
そもそも9年がうますぎるので、飲んだことがない方はぜひ。












