アードベッグがまたまた新作ボトルをリリース予定です。
TTBへのラベル申請が確認された新作『アードベッグ シースモーク』は、蒸溜所前の海岸から直接汲み上げた海水をマッシュタン(糖化槽)に注ぎ込むという、スコッチウイスキーの歴史でもほとんど前例のない手法でつくられます。
「闇夜に紛れて、蒸溜所の仲間たちが海を煙に変える反逆的な実験に乗り出した。バケツ一杯、またバケツ一杯と、アードベッグの岸辺から直接マッシュタンに海水を注ぎ込んだ」——これがラベルに書かれた言葉です。アードベッグらしい演出ですが、やっていることは本物です。
度数は50.8%。アードベッグ・コミッティ向けのリリースとなる見込みで、発売日・本数・価格は現時点で未公表です。
海水マッシングが生む風味とは

通常のウイスキー製造では仕込み水に軟水や硬水が使われますが、今回は文字通り海水です。海水には塩化ナトリウムをはじめとするミネラル分が豊富に含まれており、糖化の工程でモルトの酵素反応にどう影響するかは未知の領域です。
ラベルに記されたテイスティングノートには、スモークライムとフリント(火打ち石)のようなミネラリティが立ち上がり、パレートでは微かな塩味がスモーキーなエスプレッソ、カシュー、焚き火の燠(おき)へと流れていき、余韻は長くスモーキーに引いていくとあります。
鼻には燻製ライム、海のスプレー、フェンネル、ヘザー、そしてダークチョコレート、クローブ、タール縄のニュアンスも。
アードベッグの海岸沿いという立地ならではの「場所性」をそのままボトルに閉じ込めようという発想で、今回の手法はその極端な実践といえます。
アードベッグ・コミッティという実験の場
アードベッグは毎年フェスアイラ(アイラ音楽とモルトの祭典)にあわせてコミッティ限定の特別リリースを行っており、その実験的な内容で毎回話題を集めてきました。
今年2026年はすでにアードベッグデイ向けのマルサラ樽熟成『ドルチェ』が発表されていますが、このシースモークはそれとは別枠のコミッティ向けリリースとして動いているようです。









