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フォアローゼズ、米国のワイン最大手E.&J.ガロワイナリーへ売却。1200億円の取引が示す「ワイン巨人の野心」

フォアローゼズ、米国のワイン最大手E.&J.ガロワイナリーへ売却。1200億円の取引が示す「ワイン巨人の野心」

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2026年2月6日、キリンホールディングスはバーボンウイスキー「フォアローゼズ」を、米国のワイン最大手E.&J.ガロワイナリーへ売却すると発表しました。

売却額は最大で約1200億円(7億7500万ドル)。

2002年の買収以来、ブランドの復活と品質向上を支えてきたキリンの手から、ケンタッキーの至宝が離れることになります。

オーツカ
昨年10月時には10億ドルともいわれていましたね。ついに、売却先が決定です。

キリンが「フォアローゼズ」売却検討 評価額10億ドルの妥当性を読む

キリンが見限ったのではなく「卒業」させた1200億円

File source: http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Four_roses_destillery.jpg

今回の売却劇、表向きの理由はキリンが推進する「ヘルスサイエンス事業への集中」です。

しかし、ウイスキーファンとして注目すべきは、キリンがこの24年間でフォアローゼズをどう変えたかという実績でしょう。

買収当時、低価格帯のブレンド用原酒としてのイメージが強かった同ブランドに対し、キリンは徹底した現場主義と設備投資を敢行しました。マスターディスティラーのブレント・エリオット氏を筆頭に、10種類のレシピを使い分ける複雑な製造プロセスを守り抜き、「スモールバッチ」や「シングルバレル」といった高付加価値商品を市場に定着させたと言えます。

実際にとてもクオリティの高い商品だったと思います。

今回の1200億円という売却額は、キリンが育て上げたブランド価値が正当に、あるいはそれ以上に評価された結果とみてもいいと思います。

昨秋には10億ドル(約1500億円)規模での売却も噂されましたが、最終的な着地は7億7500万ドル。一見安く見えますが、現在のウイスキー市場の軟化傾向や、キリンの事業ポートフォリオ再編の緊急度を鑑みれば、十分に「売り抜けた」数字です。キリンは今後、日本国内での販売代理店としての役割は継続するとしており、完全に縁が切れるわけではありません。

ワインの王様ガロが欲した「本物の歴史」

買い手のE.&J.ガロワイナリーは、カリフォルニアに本拠を置く世界最大級の家族経営ワイナリーです。「アポシック」や「ベアフット」などのワインブランドで知られますが、近年はスピリッツ分野への進出が著しい企業です。

2022年には米国の退役軍人たちが立ち上げた新興バーボン「ホース・ソルジャー(Horse Soldier)」を買収し、アメリカンウイスキー市場への足掛かりを築いていました。

しかし、新興ブランドだけでは足りないピースがありました。それが「歴史」と「生産能力」です。

フォアローゼズは1888年創業という圧倒的な歴史と、ケンタッキー州ローレンスバーグに巨大な蒸溜所を持っています。ガロにとって今回の買収は、自社の強大な販売網に乗せるための、誰もが知る「フラッグシップ(旗艦)」を手に入れるための最短ルートでした。彼らが持つ全米規模の流通ネットワークにフォアローゼズが乗ることで、これまでリーチできていなかった層への拡販が見込まれます。

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薔薇の香りは変わるのか?効率化への懸念と監視

読者の皆様が最も懸念するのは、「ガロ傘下で味が変わるのではないか」という点でしょう。

ガロは過去にコンステレーション・ブランズ社から大量の低価格ワインブランドを買収し、徹底的な効率化で利益を出してきた実績があります。この「ガロ・ロジック」が、フォアローゼズの繊細な10種のレシピ管理や、長期熟成を前提とした在庫管理に適用されるリスクはゼロではありません。

現時点では、ガロ側は「生産体制や運営に変更はない」とコメントしており、ブレント・エリオット氏ら現行チームの続投が示唆されています。

しかし、数年後に生産効率を理由にレシピが統合されたり、熟成年数が短縮されたりする可能性には、我々メディアとファンが厳しく目を光らせる必要があります。取引完了は2026年4月から6月を予定。

新生フォアローゼズの最初のボトルが、これまで通りの美しい薔薇の香りを放つことを信じて、今は静かにその時を待ちます。

フォアローゼズの種類/ラインナップ

フォアローゼズ

こちらはフォアローゼズのスタンダードボトル。

バーボンファンからは親しみを持ってイエローラベルという愛称でも呼ばれています。

1888年にリリースされて以来、スムースかつスパイシーな味わいでウイスキーファンを唸らせてきた伝統あるバーボンウィスキーです。

香りはバラのようなフローラルとエステリー。

味わいは甘みがメインで、バーボン特有のエステリーさはそれほど感じずシナモン、イチヂクの甘みとハーブの香味が鼻腔を抜けます。

またレモンのような酸味も感じ、甘いだけではない複雑さを覚えるボトルです。

スタンダードにして非常によくできた逸品です。

フォアローゼズ ブラック

こちらはスタンダードの1ランク上位のボトル。1988年に発売されました。

スパイシーなK酵母と2種類のマッシュビルによって作られています。

香りはバニラ、カラメル、ビターチョコ、奥にアンズのようなフルーティさも感じます。

口に含むと重厚感のある樽のフレーバーが感じられます。

スタンダードボトルよりもフルーツ系の酸味は抑えられ、逆にチョコやカカオのビターさが浮き立ちます。

ハーブのスパイシーさも増しており、バーボンらしい無骨で飲みごたえのある1本です。

フォアローゼズ プラチナ

こちらはケンタッキー州200周年を記念して1992年に日本限定でリリースされたボトル。

長期熟成原酒の中から6〜7種類をベースにブレンドしている為、ブランデーやコニャックのようなスイート、フルーティさを感じます。

香りは落ち着いたバニラ、カラメル、ほのかな接着剤。

口に含むと唾液で一気に開くような感覚でドライフルーツ、ニッキ、完熟のイチヂクの甘み、最後にブドウの皮のような心地よい酸味とオークの余韻。

日本人好みにドストライク。極めてリッチでスイートなボトル。

本当にバーボンなのか?とラベルを見返す方もいるかもしれません。

フォアローゼズ シングルバレル

こちらは単一の樽から取り出した原酒をアルコール度数50度に調整しボトリングしたものとなります。

モルトファンにはシングルカスクと言えば分かりやすいかもしれません。

そして現行ラインナップの中で唯一ブレンドしていない原酒をシングルで楽しめるボトルとなります。

また熟成も7年以上かけてそれぞれの樽の個性が出てきたと見極めたものをボトリングしている個性あふれる逸品です。

香りはビターチョコ、若干のエステリー、ハチミツ、バラやカーネーションのフローラル。

味わいも心地よいビターフレーバーを筆頭に、バナナ、イチヂク、ドライプルーン、少しのカシス、余韻はブドウの皮、長い長いオーク。

複雑で柔らかい余韻が楽しめるリッチでスイートなデザート・バーボンです。

非常に完成度の高い商品で、愛飲家の中でもかなり高評価です。

ストレート、またはロックでどうぞ。

フォアローゼズ スモールバッチ

フォア・ローゼズ・ディスティラリー社

蒸溜所のマスター・ディスティラーが熟成のピークに達した樽の中から、完璧なバランスを持つスモールバッチ・バーボンをつくるのに適したフレーバーの異なる4樽を選びブレンド。

別名“マスター・ディスティラーズ・メロウ・チョイス”とも呼ばれ、メロウな味わいが特徴。ストレートもしくはロックがおすすめです。

香りはバニラ、カラメル、ウッディ、熟したチェリー、メイプルシロップ。

口に含むと鼻腔に丸みを帯びたエステリーとバナナの甘み、完熟のチェリーとイチヂク、ニッキ、シナモン、クローブのスパイシーへと変化します。

なお、毎年、数量限定のリミテッドエディションも販売されています。

リミテッドエディションは冷却濾過せず樽出しそのまま(バレルストレングス)でボトリングしている為、樽によってアルコール度数や個性が若干異なるのも面白い点です。シングルバレルに比べると加水調整無しなので、若干アルコールからの刺激は強いものフォアローゼズならではの素晴らしい香味を味わえる逸品です。




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