ケンタッキー州フランクフォートにあるバッファロー・トレース蒸溜所が、特別な「ゴーストハント体験」を提供すると発表しました。
歴史ある蒸溜所には数多くの怪談が存在しますが、同社はこれらを活用し、蒸溜所の深い歴史と結びつけたユニークなイベントを実施します。
歴史が宿る敷地と幽霊の噂
バッファロー・トレースの敷地は、ケンタッキー州が米国に加わった1792年に遡る建物を含む、非常に歴史の古い場所です。この地でウイスキー製造が始まったのは1811年頃、近現代の蒸留所としての操業は1858年から続いています。

この長い歴史の中で、E・H・テイラー・ジュニア氏、ジョージ・T・スタッグ氏、そしてアルバート・ブラントン大佐といった、ウイスキー史に名を残す重要人物たちが、実際にこの敷地で生活し、働いていました。
蒸溜所のビジターエクスペリエンス担当ゼネラルマネージャーであるタイラー・アダムス氏によると、「私たちは最も幽霊が出る蒸溜所の一つとして知られています。私たちはこの歴史をとても誇りに思っており、夜になると姿を見せる伝説や伝承の人物がいます。彼らは自らも霊となりながら、私たちが造るスピリッツを見守っているのだと考えています」と語っています。
スタッフを悩ませる倉庫Cの怪音

バッファロー・トレースで最も頻繁に怪現象が報告される場所の一つが、ビジターセンターのすぐそばにある「ウェアハウスC(貯蔵庫C)」です。この貯蔵庫は1800年代後半から継続してウイスキーを熟成させています。
目撃情報: 複数のツアーガイドが、貯蔵庫の廊下の奥で人影を見た、または音を聞いたと報告しています。
構造上の特異性: 貯蔵庫は複数の階層があり、床が吹き抜け構造になっているため、物音が反響しやすい環境です。
閉鎖後の音: ツアーガイドは夜間に貯蔵庫の施錠を担当していますが、一度施錠すると外からは入れません。ガイドたちは、誰もいないはずの閉鎖後に怪音を聞くことがあり、その恐怖から夜間に施錠のためだけに貯蔵庫に入るのを避ける者もいるとのことです。

ブラントン大佐の住居「ストーニー・ポイント」の目撃談
もう一人の主要な幽霊の目撃場所は、アルバート・ブラントン大佐の旧宅兼オフィス「ストーニー・ポイント」です。ブラントン大佐は、禁酒法時代を乗り切り、現在の蒸溜所の成功の基盤を築いた重要人物です。彼は実際にこの建物で亡くなっています。

スタッフによると、夜間に、ブラントン大佐が亡くなった部屋の窓に人影を見たという報告があります。アダムス氏は、「ブラントン大佐はバッファロー・トレースの大きな存在であり、彼が蒸溜所を手放すとは想像できません。今でも彼がストーニー・ポイントの周りにいるのを見かけます」と述べています。
コロナ禍を経て復活する「夜のツアー」

バッファロー・トレースは以前、定期的なゴーストツアーを提供していましたが、コロナ禍以降は中断していました。しかし今回、10月最終週の夜間に、蒸溜所の歴史を語り継ぐ夜間のウォーキングツアーを実施することで、この要素を復活させます。
ただし、以前のゴーストツアーとは異なり、単に幽霊を探すのではなく、アーカイブ担当者などから収集した物語を語り部が紹介する形式となります。ウェアハウスCにも夜間に入ることができ、「自分で何かを発見できる」機会を提供します。
さらに、抽選で選ばれた幸運な一組のウイスキーファンは、プロのゴーストハンターと共に蒸溜所の敷地内で夜を過ごし、ブラントン大佐の旧宅「ストーニー・ポイント」で一晩眠るという、非常にユニークな体験を得ることができます。
蒸溜所の深い歴史を、エンターテイメントとして巧みに活用し、ファンに特別な体験をさせる企画。面白いですね。










