ザ・マッカランの愛好家たちの間で、大きな興奮を呼ぶニュースが舞い込んできました。
「シングルモルトのロールスロイス」と称される彼らが、長年のファンの“夢”を形にしたかのような新商品を予告しています。
その名は「ザ・マッカラン 12年 110プルーフ シェリーオークコレクション」。
かつて市場を熱狂させた、あの伝説のボトルを彷彿とさせる一本になるやもしれません。
ファンが待ち望んだ「熟成年数」と「度数」の両立

これまでマッカランのファンは、ある種の選択を迫られてきました。
オフィシャルボトルで、豊かなシェリー樽熟成を示す「12年」という熟成年数を選ぶなら、アルコール度数は40%(米国向けは43%)のボトル。一方、高いアルコール度数のパンチ力を求めるなら、毎年限定発売されるノンエイジ(熟成年数表記なし)の「クラシックカット」やカスクストレングスを選ぶしかありませんでした。
「熟成年数」か、「アルコール度数」か。その間に存在した“ギャップ”を埋めるべく、マッカランが満を持して送り出すのが、今回の「12年 110プルーフ(55%)」です。これは、シェリーカスクの豊かな風味を、原酒の力強さを物語る高い度数で楽しめるという、まさにファンが待ち望んでいたスペックなのです。
あの伝説の「10年 カスクストレングス」との比較

このニュースに、往年のマッカランファンは、あるボトルの姿を重ね合わせているはずです。
それは、かつて主に免税店や北米向け向けに1リッターボトルで流通し、その圧倒的なクオリティとコストパフォーマンスで市場を席巻した「マッカラン 10年 カスクストレングス」。終売となって久しい今、その価格は高騰し、もはや伝説の存在となっています。

アンバールさんで飲んだマッカラン10年のカスク、とても美味しかった~
今回の新商品は、その伝説の「10年カスク」とどう違うのでしょうか。
最大の違いは、熟成年数が「10年」から「12年」へと引き上げられている点。
どちらも「熟成年数表記あり」で「カスクストレングス(に近い高い度数)」という、ファン垂涎のスペックを持つ点は共通しています。しかし、2年長く熟成されたことで、あの10年カスクが持っていた若々しいパワフルさに、どのような変化がもたらされたのか。より一層の複雑さと円熟味が加わっているのか。これは、ウイスキーファンにとって非常に興味深い比較ポイントとなります。
これは「復活」というよりは、伝説への敬意を払いながら、それを超えようとする「正統進化」と呼ぶべきものかもしれません。
新たなクラシックの味わい

公式のテイスティングノートによると、その味わいはシェリー樽由来のキャラクターに溢れています。
「スペイン、ヘレスでシェリーワインを熟成させたヨーロピアンオーク樽に由来するキャラクターが美しく際立つ。香りには、ねっとりとしたデーツ、チェリーのコンポート、シナモン、カカオニブ、ドライオレンジ。味わいは、リッチなオーク、サルタナレーズン、ジンジャー、スターアニス、マンダリン、そしてダークチョコレートをまとったエスプレッソ豆。フィニッシュには糖蜜のトフィー、モカ、甘いシナモンが続く。」
この描写だけでも、濃厚で複雑な一杯であることが伝わってきます。
日本での発売は?
このボトルは、まず米国市場向けに展開される可能性が高いと見られています。
しかし、これほどまでに魅力的なスペックのボトルを、世界中のマッカランファンが黙って見過ごすはずがありません。
日本での発売が決定することを、心から期待しましょう。
価格はまだ発表されていませんが、争奪戦必至と見て間違いなさそうです。