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蒸溜所を1ヶ月間丸ごと譲る。トラベイグの新機軸

蒸溜所を1ヶ月間丸ごと譲る。トラベイグの新機軸

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スカイ島のトラベイグ蒸溜所が、蒸溜士個人に原酒設計を一任する新シリーズ「ディスティラーズ・シリーズ」の第一弾を発表しました。

年に一度、1ヶ月間だけ蒸溜所を明け渡し、麦芽選定から発酵、熟成方法まで蒸溜士本人に委ねるという試みです。

二人の蒸溜士が見せた、まったく異なる原酒設計

第一弾となるのは、蒸溜士アイオナ・マクフィー氏による『アイオナズ・ファーストエディション』(60.9%)と、蒸溜士ナイル・カルバートソン氏による『ナイルズ・ファーストエディション』(59.3%)の2本です。

アイオナ氏は21歳でトラベイグに加わり、23歳で自身のウイスキーを蒸溜した最年少の蒸溜士です。

ポートゴードンのクリスプ・モルティングスで出会ったチョコレートモルトを軸に据え、蒸溜開始からわずか15分でチョコレートらしさが立ち上がることに気づき、そこから狙って濃厚な風味を引き出すよう蒸溜のタイミングを調整したといいます。

一方のナイル氏は、幼少期に船で入り江を渡った記憶を原点に、コースタルな潮の香りを前面に出す設計を目指しました。

ブラウンモルトとダーククリスタルモルトを少量ブレンドし、低ピートレベルの原酒をラム樽で一部熟成することで、トロピカルフルーツと軽やかな甘い焦げ感を引き出しています。

オーツカ
麦芽選びから発酵、熟成方法まで丸ごと一任するのは、蒸溜所としてかなり思い切った権限移譲ですね。

いずれも各5,250本限定で、9月上旬から専門酒販店で販売開始。希望小売価格は75ポンド(約1万6,200円)で、シリーズは年2回のペースで継続していく予定とのことです。

「新人チーム」を育ててきた蒸溜所ならではの必然

トラベイグは2017年、タリスカー以来190年ぶりにスカイ島で新設された蒸溜所です。

設立時から異色だったのが人員構成で、醸造・蒸溜経験を持つベテランのAチームと、経験ゼロの見習いだけで組んだBチームを同時に採用するという体制を取ってきました。

最高責任者のニール・マシーソン氏は、この体制について、単なる人手不足の穴埋めではなく意図的な育成戦略だと説明しています。

今回のディスティラーズ・シリーズで蒸溜を担当した2人は、いずれもこのBチームの流れを汲む世代の蒸溜士です。

ゼロから育ってきた若手に原酒設計そのものを託すところまで踏み込んだのは、この9年間続けてきた育成方針の一つの到達点と見ることもできそうです。

日本には明石酒類醸造が輸入元となり、これまで「レガシーシリーズ」が数量限定で入荷してきましたが、供給が安定しているとは言えない状況が続いています。

今回のディスティラーズ・シリーズが日本に入ってくるかどうかは、現時点で確認できていません。

オーツカ
トラベイグちょっと高いですけど、美味しい蒸溜所だと思っています。今後に期待。




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