
敬老の日・還暦祝い/年齢から考える最適なウイスキー3条件

60歳を過ぎたご年配の方がどのようなウイスキーボトルを好むのか。
考え方のポイントは「昭和の時代を生きた方である」ということと、ご高齢なので「強すぎるウイスキーは避けるべき」ということです。
①度数の高いハイプルーフボトルは避ける

敬老、還暦、退職祝いなど、ご年配の方へウイスキーをプレゼントする場合、あまりに高アルコール度数の商品(ハイプルーフ品)は避けたほうが無難です。
一般的に出回っているウイスキーは加水を行って40度前後ボトリングされますが、現在はカスクストレングス(非加水)の商品も多く出回っており、ハイプルーフと呼ばれるウイスキーはアルコール度数50度をゆうに超え、60度前後のものも存在します。
薄まっていない原酒そのものの味わいが感じられ、とても美味しいのですが年配の方へのプレゼントとなるとややアルコールがきつすぎて飲み疲れするかもしれません。私の父や、その周囲の方も60歳を過ぎた頃からウイスキーの水割りを好んで飲むようになりました。
彼らの時代はそもそもカスクストレングス品などは出回っていなかったことも考えると、一般的な40度~43度くらいのウイスキーを選ぶ方がよいでしょう。
②ピートの強いウイスキーは避ける

「スモーキー」、「ピーティ」などと表現される煙臭いウイスキーのことです。
特にスコッチにはヘヴィなピートを使ったウイスキーが多く存在し、正露丸のような香りを放つものもあります。
昨今ではこういったスモーキーなウイスキーを愛飲する「ピートフリーク」と呼ばれる方も増えており、シングルモルトを好む若年層に顕著です。
しかし、60代の方が当時飲んでいたものはブレンデッドウイスキーやバーボンウイスキーが多く、あまりヘビーピートのものはなかったはずです。
「あの人はスモーキーなウイスキーが好み」と相手方の嗜好をわかっている場合以外には避けたほうが無難な選択肢です。
③メジャーな国産品&ブレンデッドスコッチから選ぶ

国産品の「ジャパニーズウイスキー」は慣れ親しんで飲んだ方も多いことでしょう。
スナックやクラブ文化が根強かった高度経済成長期を過ごしてきた60代にとっては喜ばれるプレゼントになるはずです。
現在は高騰が著しいですが、山崎、白州、響あたりは鉄板のプレゼントギフトになっています。
他にも昭和の時代高嶺の花であったブレンデッドスコッチも喜ばれることでしょう。
当時の高級ブレンデッドウイスキー、ジョニーウォーカー、バランタイン、オールド・パーなどをBARやクラブでボトルキープするのは一種のステイタスだったのです。
敬老の日や還暦にこういったプレゼントを贈られればきっと喜んでくれるでしょう。
敬老の日・還暦祝いにおすすめのウイスキー

上記の条件を踏まえ、敬老の日、還暦祝いというイメージも踏まえてストーリーのあるウイスキーを選抜してみました。
ボトルで購入する場合は以下のような選択肢はいかがでしょうか?
竹鶴ピュアモルト

ジャパニーズウイスキーの父と呼ばれ、ニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝の名を冠している「竹鶴」。朝の連続テレビ小説「マッサン」の主人公として描かれ、現在のウイスキーブームに火をつけました。
敬老の日や還暦祝いにもぴったりの商品。自分のお父さん、もしくは義父にプレゼントするのもいいですね。
ブレンデッドウイスキーのような柔らかさを追求しつつも、リッチなモルト100%のウイスキーを…というコンセプトのもと作られたのがこの竹鶴シリーズ。
宮城峡由来の洋ナシやパッションフルーツ、メロン、青リンゴの甘やかさ、中間にレーズン、プラムを感じることができます。
余韻は余市由来のうっすらとしたピート感。
余韻は控えめで長くはありませんがオークの香りも楽しめ、コストパフォーマンスの高い1本です。
2014年、2016年にISCにて金賞に輝いたボトル。
響 JAPANESE HARMONY

日本人ブレンダーの匠の技が冴えるブレンデッドウイスキー。
「日本の四季、日本人の繊細な感性、日本の匠の技を結集したウイスキー」をコンセプトに、繊細な感性を持つ日本人に合わせて造られた響は和の温もりを感じさせます。
熟成年数にこだわらず、サントリー社のウイスキーづくりの歴史の中で培ってきた、多彩な原酒と匠の技でつくりあげられたボトルです。
アルコール度数43度、ノンエイジですがアルコールによる刺激は非常に少なくストレートでも美味しく頂けます。ご年配の方にも最適なボトル。
ナシ、柑橘系の香りが鼻腔をつき、奥深くもやわらかな甘みが特徴的です。
加水すると爽やかな酸味が引き経つので、ストレートから数滴加水しながら変化を楽しむと良いでしょう。
コンテストでは2016年にSWSCにおいて最優秀賞に輝いています。
オールド・パー 18年

敬老の日、還暦祝いとなればこちらを外すわけにはいきません。
英国の伝説的な人物、トーマス・パーが描かれている『オールド・パー』です。
トーマス・パーは”長寿のシンボル”とされ、なんと1483年から1635年…まで生きたと言われています。
つまり、152歳(と9ヶ月)!
80歳で初めての結婚、122歳で再婚して、130歳で子供作ったという経歴の持ち主です。
ちなみにこの18年はオールド・パーシリーズのプレミアムライン。選ばれし9つのモルト原酒のみを掛け合わせて作られた贅沢なボトルです。
干しぶどうやプラム、ブラックチェリーなどの黒いベリー系、ドライマンゴー、桃もうかがえます。
土のついた枯れ葉のようなピートも感じることができ、口に含むとカラメル、バニラの中にナッツの香ばしさ、ナツメグやシナモンなどのスパイス感もあります。
まだまだ現役の60代の方にぜひプレゼントしてもらいたい逸品です。オリジナルセットにも入っています。
オールドグランダッド 80プルーフ

1971年のウイスキーの輸入自由化から、アメリカンのウイスキーもよく飲まれるようになり、バーボンブームが起こりました。
ハリウッド映画にも頻繁にバーボンが登場し、名俳優がロックやストレートで杯を重ねる様に目を奪われた時代でした。現在も飲まれているワイルドターキーやエズラブルックス、オールドフィッツジェラルドなど数多くのブランドが日本でも飲まれました。
こちらは世界中で愛される本格バーボン『オールド・グランダッド』。
「偉大なるおじいちゃん」という名は、3代目のレイモンド・B・ハイドンが祖父である創立者ベイジル・ハイドンの業績を称えて名付けられました。
マイルドでスムースな飲み口、深い香りとコクが特徴的で、多くのファンが存在します。
あなたの偉大なるおじいちゃんへ、プレゼントしてください。
エライジャクレイグ

こちらも人気の高いバーボンウイスキーです。
エライジャクレイグは初めてバーボンウイスキーを作ったと言われる「エライジャクレイグ牧師」にちなんでネーミングされました。
彼は元々アメリカ合衆国のバプテスト派の宣教師でバーボン・ウイスキーを最初に製造したと伝えられており、「バーボンの父」として知られています。
そんな彼の名に恥じないバーボンを造ろうと、ヘヴン・ヒル社が企画からなんと25年もの歳月を費やしエライジャクレイグを製品化しました。
アメリカのウイスキー専門誌 『ウイスキー・アドボケード』 TOP20では、ランキング1位に輝くほど評価の高いボトルです。
山崎 ノンエイジ

言わずと知れた日本で最初にできた蒸溜所「山崎」が造り上げたシングルモルトです。
12年は甘いバニラ香とフルーツの香が特徴的。繊細でありながら、厚みがあり奥行きのある味わいです。
敬老の日や還暦祝いにはぴったりのジャパニーズウイスキーと言えるでしょう。
プレゼントには12年が良いと思いますが、現在ではかなり希少で値段が高騰しています。
ノンエイジでさえ、以下で紹介するオリジナルセットの倍以上の価格なのが実情です。
ティーリング シングルモルト

不死鳥のロゴが描かれたアイルランドダブリンにてつくられるアイリッシュウイスキーです。
「復活」の意味が込められたロゴマークはこれから第二の人生を謳歌する方へのプレゼントに最適です。
紹介してきたウイスキーの中では最もライトで飲みやすく感じられるウイスキーかと思います。
シトラスのような香りや柑橘系の酸味があり、メロン、バニラ、香草などがバランスよくミックスされた味があり、ワイン樽特有のタンニンの渋さも感じます。
ロックで飲んでもおいしいです。
ウイスキーをプレゼントして素敵な敬老祝い、還暦祝いにしましょう
今回は敬老の日と還暦のお祝いでプレゼントしたら喜ばれるウイスキーを特集してみました。
敬老祝いや還暦祝い、どちらも60歳をこえた年配の方へのプレゼントということで、ピックアップする商品はだいぶ検討しました。
「古くからある現役の蒸溜所」ということで、アイラ島最古の蒸溜所であるボウモア(1779年)。
さらにスコットランド最古(1775年)の創業、南ハイランドのグレンタレット。さらには最古のアイリッシュウイスキー蒸溜所ブッシュミルズ(1608年)などなど。色々あるんですが、選択肢を多く出しすぎても迷ってしまうと思いますのでこの辺にしておきます。
ウイスキーで最高の乾杯をして、まだまだ元気に人生を楽しんでもらいましょう!
2024年9月16日(月曜)は敬老の日です。
ウイスキー専門ショップを運営している我々が、ご年配の方を対象としたウイスキーギフトと、その選び方を特集していきます。
お世話になった方へウイスキーをプレゼントする際に、いくつか気を付けないといけないポイントがあるのでその辺りもチェックしていきましょう。