2026年4月2日、E.&J.ガロワイナリーによるフォアローゼズの買収が正式に完了しました。
2025年10月の売却検討報道から約半年。同年2月にキリンホールディングスが正式発表し、今回の完了をもってフォアローゼズは1943年以来83年ぶりに米国の家族経営企業の傘下に入ることになります。
売却額の最終的な構造

最終的な取引総額は最大7億7,500万ドル(約1,200億円)。ただしこのうち5,000万ドル(約77億円)は成功報酬型の変動分で、フォアローゼズが一定の売上目標を達成した場合にのみガロからキリンへ支払われます。取引完了時点でガロが実際に支払ったのはまず7億2,500万ドルということになります。
昨年10月時点では10億ドル規模とも報じられていただけに、最終着地はやや圧縮された印象ですが、現在のバーボン市場の軟化傾向を踏まえれば、キリンとしては適切なタイミングで売り抜けた評価が妥当です。
なお、キリンは今後も日本国内でのフォアローゼズ販売代理店としての役割を継続するとしています。
「継続」を誓ったガロ

ガロ側は発表で、液体・製造工程・伝統・人員のすべてに継続性を維持すると明言しています。マスターディスティラーのブレント・エリオット氏も留任が確認されており、2種のマッシュビルと5種の自社酵母による10レシピという独自製法はそのまま守られる見通しです。
ガロのチーフ・コマーシャル・オフィサー、ブリット・ウェスト氏は「キリンはフォアローゼズをプレミアムバーボンとして米国市場に再確立した。われわれはその品質を守り、グローバル展開を加速させる」とコメントしています。
キリンの24年間が残したもの
キリンが2002年にフォアローゼズを取得した時点では、同ブランドは主に低価格帯のブレンド用原酒というイメージが強いバーボンでした。それを今日の評価あるプレミアムバーボンブランドに育て上げたのはキリンの投資と現場主義の成果であり、1,200億円という売却額はその証左ともいえます。
今回の売却完了直後に、ガロ傘下でのエクスペリメンタルシリーズ第1弾としてフォアローゼズミズナラカスクフィニッシュが発表されたことは、すでにBARRELでもお伝えした通りです。
新オーナーのもとでフォアローゼズがどう変わり、あるいは変わらないのか。ガロの持つ全米規模の販売網にブランドが乗ることで、次のフェーズが始まります。










