栃木県・小山市の小山蒸溜所(西堀酒造)が、地元由来の「思川桜(おもいがわざくら)」から分離した花酵母を使用したウイスキー造りに取り組んでいます。
同蒸溜所はこの酵母を用いた仕込みを行い、特徴的な香味を持つ原酒(ニューポット)の製造に成功しました。
日本酒の世界では「花酵母」の使用は珍しくありませんが、ウイスキー造りへの応用はまだ例が少なく、酒蔵を母体とする同蒸留所らしい興味深いアプローチと言えます。
地元の桜から採取した酵母を活用

今回使用された「思川桜花酵母」は、小山市固有の桜である思川桜の花弁から分離・培養されたものです。
一般的にウイスキー製造には、アルコール発酵力の強い専用の酵母が用いられますが、小山蒸溜所ではあえて野生酵母の一種である花酵母を採用。
本来、管理が難しいとされる花酵母ですが、長年日本酒造りで培った発酵技術を活かし、ウイスキーのマッシュ(麦汁)での発酵を安定させました。
独特のフルーティーさを纏うニューポット
報道によれば、この酵母で醸された原酒は、通常のウイスキー酵母とは異なる華やかな香りを帯びているとのことです。
花酵母特有のエステル香が、ウイスキーのニューポットにどのような個性を与えるのか。そして、それが樽熟成を経ることでどのように変化していくのか。
現段階ではまだ「完成品」ではなく、あくまで原酒段階での成功ですが、地域の素材を「原料」だけでなく「微生物(酵母)」のレベルまで取り入れたこの試みは、クラフトウイスキーの多様性を示す一つの面白い事例となりそうです。
今後、熟成を経てどのようなボトルとしてリリースされるのか、静かに見守りたい一本です。









