スコットランドのハイランドとアイランズの中間に位置し、「ウエスト・ハイランド」という独自のスタイルを確立しているオーバン蒸溜所。
日本でもウイスキーファンには人気の蒸溜所ですが、新たに「オーバン 15年 ポートカスクフィニッシュ」を米国発売しそうです。
日本にも来てほしいですね。
ポートカスクの新たなるオーバン
まず注目すべきは、ポートワイン樽でフィニッシュ(後熟)をかけている点です。
オーバンの定番ラインナップである「ディスティラーズ・エディション」が、シェリーの一種であるモンティラ・フィノの樽で後熟されるのとは対照的です。
オーバン本来の、潮風を感じるソルティーさ、オレンジのような柑橘感、そして穏やかなスモークという個性。
そこに、ポートワイン樽がもたらすであろう、ダークベリー系の果実味やチョコレートのような豊かな甘みが加わることで、どのような新しい味わいの層が生まれるのか。ファンにとっては非常に興味深い組み合わせです。
ラベルに秘められた古代の物語
今回のボトルのもう一つの特徴は、そのラベルに描かれたストーリーです。
ラベルには、西暦498年に、古代スコットランド王国の王子たちがオーバンの地を襲撃したという、この土地に伝わる古代の物語が記されています。
これは、オーバン蒸溜所の創業者であるクラン・マクドゥーガル(マクドゥーガル氏族)の歴史にも繋がるものです。
また、ラベルの側面テキストがポルトガル語で書かれている点もユニークで、このボトルが持つ特定のテーマ性を感じさせます。
製品スペック
商品名: オーバン 15年 ポートカスクフィニッシュ
熟成年数: 15年
熟成樽: ポートカスクフィニッシュ
アルコール度数: 52.1%
発売地域: 米国限定となる可能性が高い
現時点の情報では、このボトルは残念ながら米国市場限定でのリリースとなる可能性が高いようです。
オーバンの新たな挑戦であるポートカスクフィニッシュと、その土地の古代史をテーマにしたこの一本は、ウイスキーが単なる飲み物ではなく、その土地の文化や歴史を伝える語り部であることを、改めて私たちに教えてくれます。