“アイラの王”と称されるラフロイグ蒸溜所から、その歴史の深淵を覗くかのような一本が、静かにその姿を現しました。
シリーズ第2弾となる「ラフロイグ アーカイブコレクション 38年」。
7世代にわたる蒸溜所マネージャーの想いに守られ、失われし“オールドスタイル”の製法で造られた最後のストックの一つという触れ込み。
全世界でわずか400本のみの販売です。
蒸溜所の魂を繋いだ、7人のリレー
熟成年数は圧巻の38年間。
蒸溜所の魂とも言える液体は、7人の蒸溜所マネージャーによってリレーのように守り、受け継がれてきました。
初代のムルド・リード氏から始まり、コリン・ロス氏、イアン・ヘンダーソン氏、ロビン・シールズ氏、ジョン・キャンベル氏、バリー・マカファー氏、そして現在のジョージ・キャンベル氏へ。
約40年という歳月をかけて、7人の番人たちの哲学と情熱が、この一本に静かに注ぎ込まれているのです。
失われた“オールドスタイル”の味わい
さらにこの原酒が蒸溜されたのは、1980年代半ばに蒸溜所が大規模な改修を行うよりも前。
つまり、現代の設備では再現不可能な、伝統的な製法で造られた最後のウイスキーの一つなのです。力強くもどこか懐かしい、ラフロイグの原風景とも言える味わいを今に伝える、極めて歴史的価値の高い液体と言えるでしょう。
複雑な熟成が織りなす、香りの迷宮
その香味は、3段階にも及ぶ複雑な熟成プロセスによって、類まれなる深みへと到達しました。
アメリカンバーボン樽で礎を築いた後、セカンドフィルのオロロソ・シェリー・ホグスヘッドで円熟味を加え、最後にオロロソ・シェリーでシーズニングされたヨーロピアンオークの大樽で最終熟成。この長い旅路が生み出した香味の世界は、まさに官能の迷宮です。
テイスティングノート
- 香り: スパイシーなドライフルーツ(レーズンやデーツ)のブーケに、オレンジピールのキャラメリゼや桜のニュアンス。奥には微かなタバコの葉。加水すると、穏やかな焚き火の煙とともにスパイシーオレンジが香り立つ。
- 味わい: 口当たりは驚くほど滑らかで複雑。ドライアプリコットやサルタナの甘みと、塩キャラメルのようなクリーミーさが広がる。砂糖漬けジンジャーやクローブのようなスパイス感が続き、ラフロイグらしい胡椒のようなピートの刺激と、スモークサバを思わせるオイリーな質感が、甘みと完璧なバランスを保つ。
アイラの魂を宿す芸術品
この至宝を収めるのは、手吹きのガラスボトル。その首の部分には、アイラ島のビーチで見つかるシーグラスにインスパイアされた、独特のテクスチャーが施されています。ボトルそのものが、ラフロイグの故郷の魂を宿した芸術品なのです。
【製品情報】
- 商品名: ラフロイグ アーカイブコレクション 38年
- 生産本数: 全世界400本限定
- 希望小売価格: 4,100ポンド / 4,300ドル / 4,760ユーロ
全世界でわずか400人のみが手にできる、ラフロイグの歴史そのもの。
この一本を所有することは、単にウイスキーを味わうのではなく、7人の番人から受け継がれたラフロイグの魂の継承者の一人となることを意味します。