「ウイスキー界の異端児」として知られる英国ロンドン発のスコッチウイスキーブランド「COMPASS BOX(コンパスボックス)」が、創業25周年を迎えました。
これを記念し、2025年5月13日・14日の両日、東京で国内初となる招待制展示会「The House of COMPASS BOX」が開催され、ブランドの革新的な世界観が披露されました。

「飲む」から「住まう」へ – ウイスキーが日常に寄り添う空間体験

展示会のテーマは「The House of COMPASS BOX ーここは、物語のあるウイスキーが似合う家。」。
“ウイスキーブレンダーの家”をコンセプトに、インテリアスタイリストの作原文子氏が手がけた空間は、ウイスキーを単に「飲む」だけでなく、「住まう」「飾る」「語らう」存在として捉え直し、日常に寄り添う新たな魅力を提案しました。
木や布の温もり、異素材の重なりが、ウイスキーの個性や香りと自然に調和する空間体験は、まさにブランドからの新たな提案と言えるでしょう。
コアコレクションと空間が共鳴する4つのスタイル

会場では、ブランドの現在を象徴する「コアコレクション」4種が、それぞれの個性と響き合う空間演出と共に紹介されました。
ダイニングシーンに見立てられたエリアでは、ウイスキーが食卓や会話の中心にある温かな生活が想起させられました。
- Orchard House: 瑞々しい果実香と軽やかな飲み口が、陽の光とナチュラルマテリアルの空間に調和。
- The Peat Monster: スモーキーで野性的な香りが、無骨な質感や遊び心あるマテリアルによって引き立てられました。
- Nectarosity: ベイクドスイーツから着想を得た味わいは、パティスリーの厨房から飛び出したような演出で表現。
- Crimson Cask: シェリー酒樽由来の深みあるスパイス香が感じられる味わいを、洗練されたテーブルセッティングで表現。
25周年を飾る新作「Flaming Heart」がベールを脱ぐ

そして、今回の目玉の一つが、2025年7月に正式発売予定の新作「Flaming Heart」25周年記念エディションの先行公開です。“ブレンダーの書斎”をイメージした静謐で思索的なトーンの空間に展示されたこのボトルは、力強くも洗練されたスモーキーさが特徴。ブランドの25年の歩みを象徴するような、物語性とブレンディングの技巧が融合した一本として、ひときわ注目を集めました。空間全体に漂うロック音楽の余韻も、このウイスキーの個性を際立たせていました。
専門家とアーティストが織りなす豊かな体験


さらに、本国よりウイスキーブレンダーのサミュエル・トラヴァース氏が来日し、来場者向けに貴重なブレンディングクラスを実施。また、写真家・木寺紀雄氏が展示空間の空気感や光の揺らぎを捉えた写真は、単なる記録を超え、「物語の続き」を感じさせるアーティスティックな作品として提供され、イベントの記憶を美しくアーカイブしました。
革新を続ける「ウイスキーメーカー」




2000年にジョン・グレイザー氏によって創設されたコンパスボックスは、「LONG LIVE INTERESTING」をコミュニケーションステートメントに掲げ、ウイスキー作りを「アート」と捉える革新的なブランドです。自らをスコッチの「ウイスキーメーカー(創造者)」と称し、伝統にとらわれない挑戦的なブレンドでウイスキーマガジン誌の「イノベーター・オブザイヤー」など数多くの賞を受賞。欧米を中心にストリートなバーシーンでもカジュアルに楽しまれ、ウイスキー界に新たな風を吹き込み続けています。
物語の続きを、あなたの日常に




「物語のあるウイスキーは、暮らしとともにある」という想いから生まれた本展示会は、ウイスキーを味覚だけでなく、五感で楽しむ「体験」として届ける、コンパスボックスの新たなステージを示すものでした。25周年を迎え、ますます進化を続けるこの「ウイスキー界の異端児」の今後の動向、そして新作「Flaming Heart」の詳細発表からも目が離せません。