ボウモアが、2013年から2015年にかけて3回だけ出した『ザ・デビルズ・カスク』を、10年以上ぶりに復活させます。
新作は10年と22年の2本です。
販売は英国のウイスキー専門店チェーン、The Whisky Shopの独占です。
10年は10月16日発売で、度数は56.6%、価格は70ポンド(約1万3,000円)。22年は59.6%、380ポンド(約7万2,000円)で、10年を買った人の抽選制になります。
10年は第3弾の再解釈、22年は残された2樽

シリーズ名は、ボウモアの村にある丸い教会の言い伝えに由来します。
逃げ込んだ悪魔は、角がなくて隠れ場所が見つからず、蒸溜所の樽に潜り込んで本土行きの船で逃げたといいます。
2013年の第1弾と2014年の第2弾は、ファーストフィルのシェリー樽で10年熟成した56%台のカスクストレングスでした。
2015年の第3弾は年数表記を外し、ファーストフィルのオロロソとペドロ・ヒメネスの原酒を合わせて56.7%に仕上げています。ボウモアがPX樽を使ったのは、この第3弾が初めてでした。
今回の10年は、ファーストフィルのオロロソ樽で熟成し、ファーストフィルのPX樽で仕上げています。香りはダークフルーツとフルーツケーキ、ココアとメープルシロップに、ボウモアらしいスモークが重なります。
22年は、初期のリリースで取り置かれていた2樽をさらに寝かせたものです。22年間ファーストフィルのオロロソとPXで熟成し、最後にリフィルのオロロソで仕上げました。焦がした果実と糖蜜から、塩気のあるオークとリコリスへ流れる設計です。

第3弾の発売時は190ポンドでした。今回の10年は、その半分以下の70ポンドです。
第2弾が100ドル前後だったことを考えると、10年表記に戻して入口の価格に近づけてきた格好です。22年は第3弾のちょうど2倍にあたります。
買い方の関門と、日本での扱い

10年は、The Whisky Shopのサイトで事前登録が始まっています。22年は10年の購入者だけが対象の抽選で、受付は10月31日からです。ハロウィンに合わせた設計と言えます。
蒸溜所での販売は12月1日からです。
The Whisky Shopは英国に22店舗を持ち、欧州向けには発送もできるとされています。日本への発送や、日本での正規発売については、現時点で情報が出ていません。
一方、日本のボウモアは動いています。サントリーは9月29日に『ボウモア9年』(税別4,000円)を定番に加え、『ボウモア シェリー』の12年・15年・18年も新発売しました。入口が4,000円の9年で、頂点が英国限定のデビルズ・カスク、という並びです。
減産の年に、限定品を重ねるボウモア
2月、サントリーはボウモアとラフロイグの現場チームを統合し、希望退職を募ると明らかにしました。強制的な解雇はなく、蒸溜は続けるとしています。
3月には、スコットランドで計画していた1億5,000万ポンド(約285億円)の熟成庫の建設も取りやめています。
その一方で、今年のボウモアは限定品が途切れません。
5月のアイラフェスには641本の9年シングルカスク(130ポンド、約2万5,000円)、8月にはデザインスタジオと組んだ20年の2本(360ドル、約5万7,000円と380ドル、約6万円)、をリリースしており、そして今回のデビルズ・カスクです。
蒸溜所は今回を、過去の人気ボトルを順次復活させる新章の第1弾と位置づけています。
減産で将来の熟成原酒が絞られる局面で、すでにある在庫と過去の知名度を軸に話題をつくる方針とも読めます。

国内ではオールドデビルズはいまやプレミア価格になっていますが、新作と比べるとどうかって感じですね。










