新潟亀田蒸溜所と福岡の新道蒸溜所が、互いのモルト原酒を交換して仕立てたブレンデッドモルト『OHTANI WHISKY KAMEDA85 feat. SHINDO』を10月23日に発売します。
アルコール度数は55%、容量は700ml、価格は税込16,500円です。
交換したのは、ノンピートでバーボン樽熟成の原酒。それぞれが複数の樽から選び、自分たちのレシピでヴァッティングしています。
新道15%、亀田85%という配合

商品名の「85」は配合比のことです。亀田のノンピート原酒85%に、新道のノンピート原酒を15%合わせています。
交換した原酒から二本のブレンデッドモルトが生まれる構図で、同じ原酒でもレシピが違えば別の一本になる、というのが企画の芯です。
製造責任者の堂田浩之氏は、両者の違いをこう整理しています。
新道の原酒は、複数の酵母が生むエステルと、バニラやピーチを思わせる甘い香りで、グラスから立ち上がる最初の一瞬に印象を残すタイプ。
亀田は木桶での発酵と狭いミドルカットを軸に、トロピカルフルーツを思わせるエステルと雑味の少ない澄んだ酒質を、口に含んでから飲み終わりまで広げていくタイプです。
立ち上がりの新道、余韻の亀田、という性格の違いですね。
狙いは補い合いではなく、それぞれ単独でも個性のある原酒を重ねることだと堂田氏は語ります。新道の華やかなトップから始まり、二つが重なりながら広がって、最後は亀田らしい長い余韻につながる流れを、一口の中でつくる設計です。

龍虎とは逆向きの原酒交換
6月に発売された三郎丸と嘉之助の『龍虎』は、ヘビリーピーテッドの三郎丸とノンピートでメローな嘉之助という、対照的な個性をぶつける設計でした。
今回の二蒸溜所は、どちらもノンピートのバーボン樽原酒で、華やかな香りと甘さを目指してきた点も共通しています。似た志向の二つを重ねたときに、違いがどう出るかを見る一本と言えます。
国内の蒸溜所同士で原酒を融通し合う方法は、ジャパニーズウイスキーの定義との相性もよいものです。日本洋酒酒造組合の基準は2024年4月に本格施行され、糖化から瓶詰めまでの国内完結と、木製樽での3年以上の熟成を求めています。
自社だけで揃えられる原酒の幅に限りがある小規模なクラフトにとって、国内の仲間と原酒を預け合う手は、定義の内側で選択肢を増やす数少ない方法です。
同期の二蒸溜所、ここまでの歩み
亀田は印章大手「はんこの大谷」を母体とする蒸溜所で、2021年に蒸溜を始めました。2025年3月には3年熟成の初のシングルモルトを、税別9,980円(税込10,978円)で発売しています。
新道は福岡の老舗蔵元・篠崎が2021年8月に蒸溜を始め、2025年6月に初のシングルモルト『EXPERIMENTAL 01』を1万本、税込14,300円で出しました。
今年6月には自社製モルトと朝倉蒸溜所のグレーンを合わせた初のブレンデッド、9月にはCORES.03と、矢継ぎ早にリリースを重ねています。
蒸溜開始が同じ2021年の二つが、ここまで来て互いの原酒を預け合う。『KAMEDA85』は、その節目の一本です。
16,500円という値付け
価格は、亀田の初のシングルモルトの約1.5倍。新道の『EXPERIMENTAL 01』より高く、『龍虎』の22,000円よりは低い位置です。
熟成年数の表記はなく、両蒸溜所とも2021年の蒸溜開始なので、原酒は最長でも5年半ほどです。
55%という高めの度数と、クラフト同士の原酒交換という企画性を、どう値段に見るかが分かれどころでしょう。
本数と販路は、現時点で明らかになっていません。新道側が仕立てる対の一本についても、詳細は見当たりません。
買うつもりなら、10月23日までに蔵と酒販店の販路が出るのを待つことになります。
同じ年に蒸溜を始めた二つの蒸溜所。どんな仕上がりになっているのか楽しみですね。










