2016年に「8年」がレギュラー化されて以来、実に9年ぶりとなるニュースです。
アイラの巨人ラガヴーリンが、新たなコアレンジ(通年商品)として「ラガヴーリン 11年 スイートピート(Sweet Peat)」を発表しました。
これまで俳優ニック・オファーマン氏とのコラボレーション(オファーマン・エディション)でしか味わえなかった「11年熟成」が、ついに我々の日常の選択肢に加わります。

シェリーを捨てた「甘い泥炭」の正体
「スイートピート」という名の通り、本作の核となるのは甘さと煙の融合です。
しかし、ラガヴーリンの代名詞とも言えるシェリー樽は一切使用されていません。全量を「ファーストフィル・アメリカンオーク・バーボン樽」で11年間熟成させています。これにより、重厚なドライフルーツの甘さではなく、トフィーアップルやバニラ、焦がしたマシュマロのような、明るくクリーミーな甘さが引き出されています。
アルコール度数は43%。これはコアレンジの「16年」と同じ設定ですが、狙いは明確に異なります。マスターブレンダーのスチュアート・モリソン氏は、このボトルを「ラガヴーリン特有のキャンプファイヤーのようなスモークを維持しつつ、より親しみやすくした」と表現しています。強烈なヨード香の奥に隠れがちだった麦芽の甘みを、あえて前面に押し出した設計と言えるでしょう。
「16年」と「8年」の隙間を埋める戦略
既存ラインナップにおいて、重厚長大な「16年」と、若々しく荒々しい「8年」の間には、確かなギャップが存在しました。今回の「11年」はそのミッシングリンクを埋める存在です。2025年のサンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティションですでに金賞を受賞しており、その実力は折り紙付きです。
価格設定も戦略的です。米国での希望小売価格は69.99ドル(約11,000円)。高騰が続くウイスキー市場において、11年熟成のアイラモルトがこの価格帯で、しかも限定ではなく「定番」として供給されることは、ファンにとって久々の朗報です。オファーマン・エディションで11年のポテンシャルを知るファンはもちろん、アイラモルトの入門編としても機能するでしょう。
日本上陸への期待と確保の準備
米国では2月から順次出荷が開始されていますが、日本国内への正規導入時期は現時点で未定です。しかし、これまでの通例や「コアレンジ」という位置づけを考えれば、年内の国内リリースはほぼ確実と見て良いでしょう。
個人輸入や並行輸入品が先行して出回る可能性がありますが、適正価格で手に入れるなら公式のアナウンスを待つのが賢明です。
甘い煙の誘惑に負けず、今はグラスを磨いて待機しましょう。












