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極寒の地が育んだ奇跡。世界初の南極熟成ウイスキー誕生へ

極寒の地が育んだ奇跡。世界初の南極熟成ウイスキー誕生へ

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ウイスキー造りのフロンティアは、どこまで広がるのか。

スコットランドの伝統的な気候とは全く異なる環境でウイスキーを熟成させるという、壮大な実験の結果が、明らかになりました。

アルゼンチンの蒸溜所と英国のインディペンデントボトラーが共同で進めてきた、世界初となる「南極大陸で熟成されたウイスキー」が完成し、ボトリングされたのです。

アルゼンチンから極寒の大陸へ

この前例のないプロジェクトは、ウイスキー起業家であるダニエル・モンク氏(カスク・ワールド創業者)の発案から始まりました。

パートナーに選ばれたのは、アルゼンチン・パタゴニア地方で先駆的なウイスキー造りを行う、ラ・アランサナ蒸溜所です。

まず、ラ・アランサナ蒸溜所で蒸留されたシングルモルトウイスキーは、アルゼンチン国内でヴァージンオーク樽で5年間熟成されました。

その後、EXバーボン樽に移し替えられ、アルゼンチン国防省と軍の協力のもと、C-130 ハーキュリーズ輸送機で南極大陸へと運ばれたのです。

ウイスキーが3年間を過ごしたのは、シーモア島にあるアルゼンチンの研究基地「マランビオ基地」。断熱材のない小屋に保管された樽は、夏はプラス10℃、冬はマイナス35℃にもなる、極端な気温変化に晒されました。樽の外側が霜で覆われるほどの過酷な環境が、ウイスキーにどのような変化をもたらしたのか、世界中の注目が集まっていました。

極寒の地がもたらした「特別なフローラルノート」

3年の時を経て、アルゼンチンに帰還したウイスキー。その変化について、ラ・アランサナ蒸溜所の共同設立者兼ディスティラーのライラ・セレネッリ氏は、興味深い所見を述べています。

「デキャンティング(樽からの移し替え)作業をしている時、私たちのウイスキーには通常それほど強くない、非常に特別なフローラルな香りがあることに気づきました。何かが起こったのだと思います。確証はありませんが、南極では気温の変動はあっても、平均気温は氷点下です。この環境が、樽からの成分抽出と酸化を可能にしながらも、エタノールの蒸発を抑制したのではないかと考えています。」

彼女はまた、南極の地で凍った海を眺めながら、「私たちのウイスキーがここで丸3年を過ごしたのだと思うと、涙が溢れました」と、その感動を語っています。

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8つの大陸を巡る壮大な物語の一部として

この南極熟成ウイスキーは、「イスラ・マランビオ」と名付けられ、2026年にリリースされる予定だそうです。

これは、ダニエル・モンク氏が企画する、さらに壮大なプロジェクトの一部で、その名も「8コンチネンツ・シリーズ」といいます。

南極大陸で熟成された「イスラ・マランビオ」を筆頭に、インド、南アフリカ、ブラジル、カナダ、ウェールズなど、文字通り8つの大陸(※地理学的な7大陸にジーランディアを加えた概念)で熟成されたウイスキーを集めた、世界初のコレクションとなるのだそう。

モンク氏は、「南極は私にとって、純粋さ、忍耐、そしてバランスの象徴です。このコレクションは、風味、気候、そしてコラボレーションを通じて語られる、世界の物語になるでしょう」と、そのビジョンを語ります。

ウイスキー造りにおける「テロワール(土地の個性)」という言葉の意味を、究極の形で問い直すこのプロジェクト。極寒の地が育んだ奇跡の液体はどんな味がするのでしょう。




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