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スコッチの新たな地平。ブルックラディ、世界初の中国ワイン樽熟成を発表

スコッチの新たな地平。ブルックラディ、世界初の中国ワイン樽熟成を発表

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アイラ島の革新者、ブルックラディ蒸溜所が、またしてもスコッチウイスキー界の常識を覆す、世界初の試みを発表しました。

中国を代表する高品質ワイナリー「グレース・ヴィンヤード」の赤ワイン樽でフィニッシュ(後熟)を施した、3種類のシングルモルトウイスキーをリリースすると発表。

グレース・ヴィンヤードとは?―中国ワインのパイオニア

今回のコラボレーションの重要性を理解するには、まずパートナーであるグレース・ヴィンヤード(怡園酒莊)について知る必要があります。1997年に設立されたこのワイナリーは、中国の高級ワインシーンにおけるパイオニア的存在です。

近年、中国のワイン、特に寧夏(ニンシア)や山西(シャンシー)といった地域で造られるものは、国際的なコンクールで数々の賞を受賞し、世界中の専門家から高い評価を得ています。

グレース・ヴィンヤードは、その品質革命を牽引してきたリーダーの一人。今回のコラボレーションで使用された樽は、同ワイナリーのフラッグシップ赤ワイン「チェアマンズ・リザーブ」を熟成していたものであり、シリーズで展開することも含め、本気のプロジェクトであることを物語っています。

3つの熟成年数で探る、新たな香味の探求

「グレース・ヴィンヤード・カスク・シリーズ」と名付けられた今回のリリースは、それぞれ異なる熟成年数と樽構成を持つ3種類で構成されています。

グレース・ヴィンヤード・カスク・シリーズ 9年

2015年蒸留の原酒をファーストフィルのバーボン樽で熟成させた後、中国ワイン樽でフィニッシュ。ブラックチェリーやダークベリーのノートに、ブルックラディらしい繊細な柑橘感が加わります。

アルコール度数: 63%

参考小売価格: 980人民元(約22,500円)

グレース・ヴィンヤード・カスク・シリーズ 15年

熟したプラムやアプリコットの風味と、ブルックラディのノンピート原酒が持つオイリーな質感がバランスした一本。

アルコール度数: 56%

参考小売価格: 1,780人民元(約41,000円)

グレース・ヴィンヤード・カスク・シリーズ 21年

2003年蒸留の原酒をセカンドフィルのオロロソシェリー樽で熟成させた後、中国ワイン樽でフィニッシュ。力強い赤系果実のノートと温かいスパイス、そして微かなミネラル感が特徴です。

アルコール度数: 56%

参考小売価格: 2,800人民元(約64,500円)

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単なる樽の貸し借りではない、相互的な関係

このコラボレーションがさらに興味深いのは、グレース・ヴィンヤード側もまた、ウイスキー事業に本格的に参入している点です。

同社は福建省に徳熙蒸溜所を設立し、「ケイリー」というブランドでウイスキーを製造。その指導役には、カリラやラガヴーリンなどで活躍したディアジオ社の重鎮、マイク・ニコルソン氏を招聘しています。

彼らもまた、自社のワイン樽や、伝統的な中国の黄酒(ホアンチュウ)の樽を使った実験的なウイスキー造りを進めています。これは、ブルックラディとグレース・ヴィンヤードが、共に樽熟成の新たな可能性を探求する、対等なパートナーとして協力していることを示しています。

 

常に「テロワール(土地の個性)」の探求を続けるブルックラディ。

今回の世界初の試みは、大麦が育つ土地だけでなく、樽を通じて別の土地のテロワールの「響き(Echo=マクタリャ)」をも表現しようという、彼らの哲学の新たな拡張と言えるでしょう。これは、ウイスキーの世界がますますグローバルに、そして創造的に結びついていくことを象徴する、画期的なリリースです。




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