華やかでエレガントな味わいで知られる、スペイサイドの名門「グレングラント」。
そのエントリーモデルとして大人気の「アルボラリス」がなんとここにきて値下げです。
さらにファン待望のカスクストレングス版が数量限定で発売されます。

一手目:定番品の戦略的値下げで、より身近な存在へ

まず一つ目のニュースは、定番商品である「グレングラント アルボラリス」(アルコール度数40%)の価格改定です。
近年の原材料費高騰の波を受け、多くのウイスキーが値上げを続ける中、グレングラントは逆の選択を取りました。
2025年9月1日出荷分より、希望小売価格を現行の3,300円(税別)から、発売当初の2,500円(税別)へと引き下げることを決定。
輸入元であるCAMPARI JAPAN社によると、これは「アルボラリスをきっかけにウイスキーを好きになった」という多くの消費者の声に応えるための施策とのこと。
シングルモルトの入門編として、その門戸をさらに広げようという、ブランドの明確な意思表示と言えるでしょう。
「木漏れ日」を意味するその名の通り、フレッシュな柑橘系の香りと爽やかな甘さが特徴のアルボラリスが、より手に取りやすくなります。
二手目:ファン向けの限定カスクストレングス版

そして、同じく9月1日。
定番品をより身近にする一方で、既存のファンやウイスキー愛好家を唸らせる、特別な一本が数量限定で発売されます。それが、「グレングラント アルボラリス カスクストレングス」です。
このボトルは、加水を一切行わないカスクストレングスで、アルコール度数は58%。オロロソシェリー樽とバーボン樽で熟成された原酒をヴァッティングしており、アルボラリスの持つ華やかでフルーティーな個性を、原酒そのままの力強い形で体験することができます。
公式テイスティングノートには「クリーミーなトフィーと熟した洋梨の豊かな風味に、繊細なスパイスが長く続く余韻」とあり、飲みごたえのある複雑な味わいが期待できます。この特別なボトルは、日本と韓国のみの限定発売となります。

商品名: グレングラント アルボラリス カスクストレングス
アルコール度数: 58%
希望小売価格: 5,500円(税別)
グレングラントの巧みな「両利き」戦略
定番ボトルの値下げと、限定品の投入。一見すると逆方向にも見えるこの二つの動きを同時に発表したことは、グレングラントの巧みなブランド戦略を物語っています。
一方で、価格を引き下げることで新規ユーザーへのアピールを強め、ブランドの裾野を広げる。もう一方では、カスクストレングスという付加価値の高い商品を投入することで、既存のファンの探求心に応え、ブランドの奥深さを示す。
この「両利き」のアプローチは、今日のウイスキー市場でブランドを成長させるための、非常に考え抜かれた一手と言えるでしょう。初心者から熟練の愛好家まで、すべてのウイスキーファンにとって喜ばしいニュースです。
