アイラモルトの中でも、その強烈な個性でカルト的な人気を誇るアードベッグ。
次なるリリースは、地中海の太陽と60年代イタリア映画の黄金時代にインスパイアされた、非常にユニークな一本となりそうです。
米国のTTB(アルコール・タバコ税貿易管理局)のデータベースに、新作「アードベッグ ドルチェ」のラベルが登場し、ファンの間で大きな話題となっています。
シチリア産マルサラワイン樽との融合

「ドルチェ」とは、イタリア語で「甘い」を意味します。その名の通り、今回のリリースの鍵を握るのは、イタリア・シチリア島産の酒精強化ワイン「マルサラ」の樽です。
アードベッグの持つ、力強くラギッド(無骨)なスモーキーさ。それに、マルサラ樽由来の甘美な地中海の魅力が融合した時、どのような味わいが生まれるのか。
これは、アードベッグの新たな挑戦と言えるでしょう。熟成には、伝統的なバーボン樽も使用されており、両者のバランスがこのウイスキーの核となります。
テイスティングノート
公開されたラベル情報によると、その香味プロファイルは、甘さとスモーキーさが複雑に絡み合う、非常に魅力的なものとなりそうです。
香り: アプリコット、ふくよかなレーズン、オレンジマーマレード、ダークチョコレート。
味わい: 快活なレモンの皮、ローストしたナッツ、ドライハーブ、くすぶるリンゴの木、そしてアードベッグらしい、噛み応えのあるようなピーティーなオイル。
製品はノンチルフィルター(冷却ろ過なし)でボトリングされ、アルコール度数は47.8%と、しっかりとした飲みごたえが期待できます。
2026年、新たな傑作の登場に向けて
「アードベッグ ドルチェ」の正式なリリースは、2026年頃と見られています。
まだ少し先の登場となりますが、この早期の情報公開は、ファンにとって想像を掻き立てる、嬉しいサプライズ。
これまでも、様々なワイン樽やスピリッツ樽の実験的な熟成で、我々を驚かせ続けてきたアードベッグ。今回は1960年代のイタリア映画という、ロマンティックなテーマを掲げてきました。シチリアの甘美な風とアイラの煙が織りなす、一本の映画のようなウイスキー。その公開を、今から心待ちにしたいと思います。