150年以上の歴史を誇る、バーボンの象徴的ブランド「I.W.ハーパー」。
その長い歴史の中で、最も希少かつ最も長期熟成となる、まさに“伝説級”の一本が発表されました。
俳優コールマン・ドミンゴ氏とのコラボレーションにより生み出された、なんと34年熟成のケンタッキー・ストレートバーボンです。

伝説の蒸溜所が生んだ、究極のバーボン
このボトル、1989年にケンタッキー州で蒸留され、伝説的な「スティッツェル・ウェラー蒸溜所」のウェアハウスで34年もの間、静かに熟成の時を重ねてきました。
ディアジオ社が厳選したわずか4樽の原酒をブレンドし、加水を一切行わないカスクストレングス、アルコール度数63.1%でボトリングされています。
なお、ディアジオ社によると、熟成は一貫してスティッツェル・ウェラーで行われたものの、1989年当時にどこで蒸留されたかまでは確認できないとのこと。しかし、これらの樽は当初からI.W.ハーパーのために運命づけられていたという事実は、このボトルの物語性を一層深めています。
アート、表現、そしてチャリティー
今回のリリースが特別なのは、そのスペックだけではありません。
アカデミー賞にもノミネートされた俳優であり、脚本家でもあるコールマン・ドミンゴ氏が、自身の芸術的表現のプロジェクトとして深く関わっている点です。
このコラボレーションは、彼が支援する非営利団体「ネイティブ・サン」へのチャリティーを目的としています。「ネイティブ・サン」は、ブラック・クィア(性的マイノリティ)の男性たちを支援し、その存在を社会に広く伝えるための活動を行っています。
ボトルのラベルデザインは、ブルックリンを拠点に活動するクリエイター、ミシェル・カドー氏が担当。ファッションの世界からインスピレーションを得た、エレガントなデザインに仕上がっています。
世界で5本のみ。その入手方法とは
「I.W.ハーパー 34年」は、全生産本数がわずか11本。そのうち、オークションを通じて販売されるのはたったの5本のみという、究極の希少性を誇ります。
オークションは、ニューヨークのサザビーズがオンラインで実施。入札期間は2025年7月24日から8月7日までとなっています。落札予想価格は、1本あたり3,000ドルから5,000ドル(約50万円~83万円)と見積もられています。オークションの収益は、前述の「ネイティブ・サン」に寄付されます。
単なる希少な古酒というだけでなく、著名な俳優の個人的な想いと、アート、そして社会貢献へのメッセージが込められたこの一本。バーボン史に刻まれるであろうこの特別なボトルは、世界中のコレクターや愛好家にとって、垂涎の的となることは間違いありません。
