ARTASTE(アルテイスト)から、新シリーズ『堂廻目眩(ドグラ・マグラ)』リリースのお知らせです。
今回は非常に見どころのあるオークニーのバーボン樽。16年という中熟ウイスキーを選抜しました。
61度を超えるパワフルなボディを持つボトルで、白い花の蜜やキンカンの香りが心地よい秀逸なウイスキーです。


ラベルを描くのは、現代美術家「市川友章」氏。
東京藝大で油画を学び、油彩と木彫で“怪人”や“異形”といった一風変わった作品を生み出し続けています。
LINEスタンプ「怪人スタンプ」で2014年にみうらじゅん賞を受賞してたり、怪談えほん『おろしてください』の挿絵も担当してたり、ホラーなジャンルで多方面に活躍。

今回は市川さんの代表作でもある「アサリーマン」をラベルアートに採用させていただきました。
今回はなんと「描きおろし」の複製原画セットも同時に発売しています。
この複製原画、稀少なだけでなく、コミカルでシュールでめっちゃいいんです。

ぜひこの機会にストアを覗いてみてください。
堂廻目眩(ドグラ・マグラ)

新シリーズ『堂廻目眩(ドグラ・マグラ)』のタイトルは、みんな大好き日本三大奇書にもあげられる、夢野久作氏のそれです。
「ドグラ・マグラ」という言葉の原義は、作中では“切支丹バテレンの呪術を指す長崎地方の方言”とされたり「戸惑う、面食らう」や「堂廻り、目くらみ」がなまったものとも説明されています。
実際ドグラ・マグラを読んだことのある方はお分かりかもしれませんが、その字面の通り不可思議で眩暈のするような小説ですね。

このウイスキーシリーズもその作品や、市川氏のアサリーマンのビジュアルから「虚ろに移ろう香味」と題し、変化に富む不思議なウイスキー樽を選抜してみました。
飲むたびに変化するその味わいに、理性と陶酔の境目が少しだけズレる。
「堂廻目眩(ドグラ・マグラ)」は日常と虚構の狭間から、あなたの正気をやさしく撫でていく。
シークレットオークニー2008/16年
今回のシークレットオークニーは2008という近年もの。
近年のバーボン樽のオークニーってめっちゃキレイなんですよね。特にボトラーズから出るものはハイプルーフでイエローな印象が強い。
このボトルは青白系→黄系→赤系の果実を目くるめく味わえます。放置でかなり変化に富むので、加水は不要かと思います。
テイスティングコメントにもあるように、人見知りなイメージから、徐々に打ち解けていくような香味。 ラベルの「アサリーマン」の哀愁と相まって、なかなかにシュールな味わいです。
以下はリリース資料です。

飲むたびに、ぐるり廻る。
一口飲めば、ほころぶ現実
注いだ直後と、数分経てからでまるで別物になる──
そんな“変わり身の早い”一樽をセレクト。
最初はよそよそしく距離をとった青白さを感じるのに、ほどなくして人懐っこい黄色い甘い果実が顔を出し、最後には厚く芯のある落ち着きを取り戻してゆく。
あの味わいは、本当だったのか?
そんな疑問を確かめるかのように、つい杯を重ねてしまう自問自答型ウイスキー。
自分自身と向き合いたい夜に、じっくりどうぞ。
ティスティングノート
小雨が降る朝の海辺。穏やかな浜風。湿った土に咲くユリ、はちみつとキンカン。パパイヤ、青リンゴの皮の香り。
口当たりはミルキーで、麦の甘みと塩気に白胡椒。オレンジとホワイトチョコレートが重なる。後半に湿度のあるシナモンとクローブ。小さな苦味が余白をつくる。
フィニッシュはほろ苦く、ドライでスパイシー。
風味がぐるりと一周して、また始点に触れたくなる感覚を残す。青系→黄系→赤系の果実を目くるめく味わえる。
風味がぐるりと一周して、また始点に触れたくなる不思議なウイスキー
ちなみにこのオークニー。当然ですが少しだけ「アサリ」の香りがします。
浜風といったほうがいいかもしれません。そのくらいそよりと静かに、しかし確かにそこにいる。
まるで市川さんが作り出す怪人たちのように、ひっそりと確実に、虚ろにたしかに、そこにいるのです。
試飲用の小瓶でも販売しております。気に入ったらぜひボトルも購入してみてね。



