ハーフロックってなんだろう? ロックともトワイスアップとも違うウイスキーの通な飲み方をご紹介

ハーフロックとは?

出典:Suntory

ウイスキーの飲み方の一つにハーフロックという飲み方があります。ハーフロックとは、要するに水割りなのですが、ちゃんとした作り方があります。その作り方とはズバリ、氷を入れたグラスにウイスキーと水を1:1で注ぐこと。そうすることで、ウイスキーを美味しく味わうことができるのです。

ウイスキーと水を1:1にする理由のひとつには、トワイスアップという飲み方があります。トワイスアップとは、氷を入れず水だけでウイスキーを割った飲み方です。そしてそのウイスキーと水の割合も1:1。この割合が同じなのは、1:1という分量がウイスキーを味わうのに適しているからです。

水割りとは違うウイスキー「トワイスアップ」。度数をおさえて香りを開かせる魔法の飲み方。

2016.12.06

ハーフロックとトワイスアップの違いは、氷を入れるか入れないかです。氷を入れることによって、ウイスキーは飲みやすくなります。しかし、それはウイスキーの特徴ともいえる香りを抑えてしまうことにもなりかねません。氷を入れて冷やすウイスキーはなんでもいいというわけではなく、合ったものを選ぶ必要があります。

この記事では、ハーフロックのおいしい作り方や味わい方、そして適したウイスキーをシングルモルトとバーボンからおすすめしています。ちょっと耳慣れないハーフロックという飲み方を理解して、ウイスキーを通に楽しみましょう。

ハーフロックの美味しい作り方

ハーフロックにする理由は、個性が強すぎるウイスキーの度数を下げ、味と香りを穏やかにして楽しむというところにあります。きつくて飲めなかったウイスキーも、冷やすことでシャキッとした喉ごしを与え、キレのある飲み口でまったりと楽しむことができるのです。

オン・ザ・ロックだと度数が高すぎで飲みにくいけど、水だけを足したトワイスアップでもまだ香りが強すぎるように感じる。その二つの飲み方のいいとこどりをしたのが、ハーフロックです。まずはその作り方をご紹介します。

 

ハーフロックの作り方のポイント

 

1、グラスに氷を入れる

使うグラスはロックグラスがおすすめです。タンブラーやテイスティンググラスでも構いませんが、可能であれば大き目の氷を使いたいので、口の広いロックグラスがおすすめです。大きめの氷を使うのには、氷が溶けにくいという理由があります。

ハーフロックは氷が溶け出し水になると、ウイスキーと水の1:1という割合が崩れてしまいます。そうなってしまうと、水割りに近い飲み方となってしまうので、ハーフロックである必要が半減してしまいます。出来るだけ大きめの氷、もしくは市販の天然氷でもかけらの大きいものを使いましょう。

氷を入れた後、次はウイスキーを注ぎますが、その前に軽く氷をグラスの中で回してグラスを冷やしておきましょう。ウイスキーなどの度数の高いお酒ともなると、実は氷に注ぐだけで希釈熱が発生し、数度ほど温度が高まってしまうのです。よく冷やして氷が溶けだすのを防ぐためにもグラスをよく冷やしておくのもポイントです。

2、ウイスキーを注ぎ、水で割る

そうして冷やしたグラスにウイスキーを注ぎましょう。ウイスキーの量はワンショットと呼ばれる30mlが基本となります。あまり多すぎると水の量も増え、飲む時間がかかってしまい氷が溶けだしてしまうので、30ml前後が丁度いいと分量となります。

その後、水を加えるわけなのですが、その前にグラスの中のウイスキーを回して冷やしておくことをおすすめします。これには、同様に氷が溶けだすのを防ぐという理由もあるのですが、もうひとつの理由としてウイスキー自体を冷やすことで味と香りを締めるためです。この工程を経るか経ないかでは、結構な違いがあります。せっかく冷やしているウイスキーが中途半端な温度だとハーフロックにした意味がなくなってしまいます。

ウイスキーをしっかり冷やしてから水を加えていきましょう。加える水の量はウイスキーと同量です。ワンショットの30ml入れたのなら、水も30ml入れてください。水道水だとどうしてもカルキの臭いが残ってしまうので、ミネラルウォーターを使いましょう。

3、ステアして、完成

マドラーでかき混ぜ、完成です。どうぞ氷が溶けださないうちに、芯から冷えたハーフロックをお試しください。

 

ハーフロックの飲み方・楽しみ方

ハーフロックは冷えたウイスキーの味を楽しむ飲み方です。選ぶウイスキーは、バーボンに代表される荒々しくもどっしりとした味わいのアメリカンウイスキーや、スコッチの中でも香り高く個性豊かな味わいを持つシングルモルトウイスキーなどを使うことで、水を加えて冷やしてもウイスキーならではといった味や香りを楽しむことができます。

見た目ハーフ

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また見た目にも美しいのがハーフロックという飲み方です。ウイスキーのオン・ザ・ロックに使う丸い氷。この氷はひとたびロックグラスに入れるだけで光を反射し、グラスの中で燦然と輝きます。そこに注がれる琥珀色のウイスキー。ウイスキーは氷を伝ってグラスの底に溜まり、輝きを放つ氷をしっかりと受け止めます。

これだけならオン・ザ・ロックですが、ハーフロックはさらに水を加えます。ウイスキーと同量の水はウイスキーの上に層を作ります。琥珀色のウイスキーが大地だとすると、加えられた水は空です。そして丸氷は太陽のごとく光を浴びせ、グラスの中には夜明けの景色が広がっているかのよう。次第にウイスキーは水と混ざり合って、朝焼けのごとく淡い色になります。

見た目にもこだわりたいの方は、マッカランなどで試してみるのもいいでしょう。シェリー樽の赤みが混じったマッカランは柔らかに氷を取り囲み、まるで火が灯っているかのように氷を灯します。グラスを口に近づけてみればバニラのような甘い香気。聞こえてくるのは氷がグラスと触れあう微かな音。味わいはマイルドで深みのある余韻が穏やかに感じられます。

 

ハーフロックには様々な楽しみ方があります。使うウイスキーによっては、涼しげに軽やかに、もしくはゆったりとまろやかに、はたまたどっしりと味わい深く楽しんでいただけるものまであります。ハーフロックでも味わうことができるウイスキー、次の項ではそれをご紹介していきます。

 

ハーフロックで味わうウイスキー「シングルモルト」

シングルモルトウイスキーとは、一つの蒸留所で造られたモルトウイスキーだけを瓶詰めしたものです。個性溢れるシングルモルトは、蒸留所によって味も違えば香りも大きく違ってくるので、この記事では特に個性の強いものを選んで、ハーフロックで飲んでもらうことをおすすめします。ハーフロックをきっかけに、自分の好きなウイスキーを探してみるのも面白いですよ。

ラフロイグ セレクトカスク

アルコール度数は40%。ヨード香と呼ばれる消毒薬のような香りが特徴的なスコッチウイスキー。

この『セレクトカスク』はスタンダードな『ラフロイグ10年』よりも、フルーティなモデルとなっていて、持ち味であるヨード香や潮の香りを抵抗なく味わうことができます。ハーフロックにすることで、クセの強さはさらに緩やかになり、浮き彫りになったヨード香、微かにピリッとする潮の香り、燻製臭、後味には熟れたフルーツの甘みが楽しめます。

 

グレンファークラス 105

アルコール度数は60%。パワフルで骨太なパンチの効いたスコッチウイスキー。

度数が60度というだけあって、どっしりした触感と厚みが舌にどっかりのしかかってくるようです。ドライフルーツの香りは甘さを感じさせ、パワフルでありながらもスイーティー。後を引くドライな辛さは、重厚な小説を一冊読み終えたような後味があり、不思議な達成感があります。度数の高さから、水を加え少し冷やすくらいが正解でしょう。ハーフロックは正にぴったりという飲み方で、濃厚な味わいと密度の高い飲み口が思う存分味わえます。

 

バルヴェニー12年 ダブルウッド

アルコール度数は40%。二つの樽を使って寝かせることで味に深みを造り出したスコッチウイスキー。

ふんわりとしたバニラの香りは、するりと喉を通りウイスキー特有の度数を感じさせません。しかし、それでいて平坦な味わいではなく、深みのある濃厚な余韻はシェリー樽とバーボン樽の二つによって熟成されたものです。ハーフロックにすることで、ただでさえ飲みやすい口当たりがより軽くなり、するする飲めてしまいます。反面、完成度が高いため味わい深さもしっかり楽しめます。

 

ハーフロックで味わうウイスキー「バーボン」

バーボンとは、主原料がトウモロコシで造られたアメリカンウイスキーです。焦がした樽の中で熟成させたほろ苦さと香ばしさ、トウモロコシの甘さが合わさった特徴のバーボンは、ハーフロックとの相性が良く、重厚な味わいも気軽に楽しむことができます。

オールド グランダッド114

アルコール度数は57%。高貴な香りと、ずっしりとしたコクを持つ上質なアメリカンウイスキー。

ストレートやオン・ザ・ロックだと飲み辛さを感じる人もいますが、ハーフロックにすることで度数や香りを抑え、まろやかに飲むことができます。注いだグラスから広がる古い木材の香りは、落ち着いた気持ちにさせてくれます。味わいにはじんわりと滲むコクがあり、歴史を感じさせてくれる一本です。正に祖父といった深みを持つこのグランダッドは、どこかしらヘミングウェイの『老人と海』の荒々しいストロングさを思わせてくれます。

 

ノブ クリーク

アルコール度数は50%。強めに焼いた樽で9年超の熟成により、力強い香りを放つアメリカンウイスキー。

重くクセのある甘みや香りは、ハーフロックで飲むと心地良い味わいに変わり、ライトに本格的なバーボンを楽しめます。甘みはバニラ香、味にはナッツの香ばしさがあり、焦げた木を思わせます。豪華な味わいには一口では言い表せない深みが隠されていて、舌をくすぐるピリッとした辛さ、隠し味のように眠るソースの風味、焼けたリンゴに似た甘みは飲んだ人だけが感じられる特権です。

 

ブッカーズ

アルコール度数はなんと64%。厳選した樽から加水やろ過を一切せずボトリングしたアメリカンウイスキー。ウイスキーの中でも破格のアルコール度数ですが、しかし味や香りはそんな度数を感じさせないほどにフルーティで芳醇なバーボンです。

ウイスキーの造りがとてもしっかりしているので、ハーフロックにしてもその神髄は十分味わえます。むしろ、水で割って冷やすくらいの飲み方じゃないと強烈過ぎて飲みにくく感じるかもしれません。甘みは心地よく、レーズンの酸っぱさが微かな隠し味となって、口当たりを軽くしています。印象的なのは、飲んだ後に感じる独特のほろ苦さで、この苦味がクセになってしまう人もいるようです。度数に慣れてくると複雑で味わい深い舌触りも感じられ、飲むたびに変化が楽しめるウイスキーです。

 

通な飲み方……それが「ハーフロック」!

ハーフロックはあまり一般的な飲み方ではありません。しかし、だからこそ気分を変えたい時や、ちょっとしたアクセントとして召し上がっていただくにはもってこいの飲み方なのです。また、ウイスキーの中には度数の高いものもあります。飲みたいけれど度数がきつい。そんな時にもハーフロックはぴったりです。

ウイスキーをよく飲む方も飲み慣れていない方も、あまり知られていない飲み方でウイスキーを味わってみませんか? オン・ザ・ロックで飲むにはちょっと……なんて思った時にはハーフロックを思い出してください。きっとお気に召すことでしょう。

ABOUTこの記事をかいた人

陣内

北海道生まれのフリーライター。 ウイスキーと小説のマリアージュをどうしても流行らせたいと思っているアラサー。最近バーボンの奥深さに気付き、バーボン党に。 お酒はいろいろ嗜むが、結局ウイスキーに戻ってしまう様子。強くはないんでインスタントに酔っぱらえるのは利点。誰か私にお酒をください。